ハルノブムラタ(HARUNOBUMURATA)2024年秋冬コレクション

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3月12日(現地時間)、「ハルノブムラタ(HARUNOBUMURATA)」は、原宿駅前の商業施設「jing」にて、2024年秋冬コレクションのショーを行った。

日本人デザイナーの枠を超え、「グローバル・スタンダード」の代表格として異彩を放つ「ハルノブムラタ」は、その洗練されたミニマルなデザインと一流の素材使いで、圧倒的なエレガンスを表現し続けているブランドだ。

そんな同ブランドの最新コレクションで、デザイナーの村田晴信は、20世紀ドイツの写真家であるアウグスト・ザンダー(August Sander)の「舞踏会に向かう三人の農夫(THREE FARMERS ON THEIR WAY TO A DANCE)」から着想を得た。ザンダーが1914年に撮影したこの象徴的な写真には、ヨーロッパ中が長引く第一次世界大戦の不安と恐怖に駆られる中で、着慣れないスーツに身を包みながら堂々とカメラを見つめる、三人の若い農夫の姿が映し出されている。不慣れな盛装をして舞踏会に向かう三人の眼差しからは、先行きの分からない不安定な時代にも、生きる喜びを見出そうとする前向きな心情が伝わってくる作品だ。

村田は、この人間味溢れる農夫たちの装いを、ボリュームたっぷりのダブルフェイスのウールコートに映し出した。リラックス感のあるオーバーサイズのシルエットは、重厚感のある見た目とは裏腹に、歩く度に流動的なゆらめきを魅せる。また、厳しい寒さに立ち向かうワーカーの風格は、モヘアのボアや圧縮されたニットを取り入れることで表現され、ブランドのモダンなエッセンスと見事に融合する。

コレクションのカラーパレットは、穏やかなグレーとブラック、深みのあるバーガンディー、光沢なモスグリーン、華やぎを添えるイエローやホワイトといった色彩が特徴的。単一のカラーを主体とするそれぞれのアイテムには、取り外し可能なゴールドプレートのディテールが、独自のアクセントとして加えられていた。

最新のレザーバッグ「CONSTANTIN」は、美しい曲線を描き、腕にそっと抱かれると、それはまるで大切な秘密を運ぶ贅沢な彫刻品のような佇まい。

一方、「BAUER」と名付けられた新しいシューズは、古き良き農夫の木靴からインスピレーションを得て生まれたもので、木とモヘアの組み合わせは、冬の日に足元の心地よさと温かみをもたらしてくれるアイテムだ。

農民の努力の結果、都市は繁栄し、労働者はさらにその発展に貢献した。やがて、表裏一体の退廃が現れる。ハルノブムラタの2024年秋冬コレクションは、現代的な華やかさを反響させ、シンプルさから派生する人と人とのつながりの本質を包含している。

ハルノブムラタ(HARUNOBUMURATA)2024年秋冬コレクションの全てのルックは、以下のギャラリーから。