9月7日(現地時間)、フランスのビリオネアであり実業家のフランソワ・ピノー(François Pinault)氏の持ち株会社アルテミス(Artémis)が、ハリウッドの大手タレントエージェンシーであるクリエイティブ・アーティスト・エージェンシー(Creative Artists Agency=以下、CAA)の株式の過半数をプライベート・エクイティ会社TPG社から購入した事が明らかになった。
アルテミスは、高級ブランドのグッチやアレキサンダー・マックイーンなどの資産を含むポートフォリオにCAAを加える。取引条件は明らかにされていないが、以前ブルームバーグが報じた情報によると、ピノーはこの取引を約70億ドルと評価している。
CAAは、1975年に設立され、スポーツや映画、テレビ、音楽、デジタルメディア、マーケティングなど、さまざまな分野でトップスター達の代理人を務めているエージェンシーだ。一方で、アルテミスは400億ドル以上の連結資産を持っており、数々の高級ブランドを擁するラグジュアリーコングロマリットのケリングから、オークションハウスのクリスティーズ、現代美術のピノー・コレクション、シャトー・ラトゥールなどのワインエステートのコレクションを含むアルテミス・ドメーヌなどを傘下に持つ。
この合意に基づき、CAAの共同会長であるブライアン・ロード(Bryan Lourd)、ケビン・ヒューベイン(Kevin Huvane)、リチャード・ラヴェット(Richard Lovett)はそれぞれ、引き続きCAAを率いることを長期的に約束し、共同会長に留まる。取引完了後、ロードは、最高経営責任者に就任する予定。CAAのディールチームを率いたジム・バートソン(Jim Burtson)は引き続き社長を務める。
「Artémisは最高級の戦略的投資家であり、私たちのクライアントが関心を持つ無数の分野にまたがるグローバルなリーチとリソース、グローバルブランドとその成長をサポートする方法に関する深い洗練された理解、そして私たちや私たちのクライアントの創造性と革新に対する情熱を持っています。フランソワ=アンリ・ピノーと、エロイーズ・テンプル=ボワイエとアルバン・グレジェが率いる彼の素晴らしいチームは、無限の新しいチャンスに満ちた未来へのビジョンを共有しています。」と、CAAのロード、ラヴェット、ヒューベイン、バートソンの4人は声明の中で述べた。