ジャックムス(Jacquemus)2027年春夏「Le Bonheur」コレクション:地中海の光と風が紡ぐ幸福のワードローブ

ジャックムス(Jacquemus)2027年春夏「Le Bonheur」コレクション

6月29日(現地時間)、「ジャックムス(Jacquemus)」は、2027年春夏コレクション「Le Bonheur」を発表した。

ショーの舞台となったのは、フランス・コルシカ島北西部のイル・ルースに位置するピエトラ灯台(Phare de la Pietra)へと続く海岸沿いの道。朝の柔らかな陽光と絶え間なく吹き抜ける風、そして地中海を望む雄大な景色の中で披露されたコレクションは、ブランドが長年描き続けてきた南フランスのライフスタイルを改めて映し出した。

コレクションタイトルの「Le Bonheur」は、フランス語で「幸福」を意味する。都会的な喧騒から離れ、自然の中で過ごす穏やかな時間や、光、風、海といった普遍的な自然の美しさを衣服へと落とし込んだシーズンとなった。

Summary

  • ジャックムスが、コルシカ島・イル・ルースを舞台に2027年春夏コレクション「Le Bonheur」を発表。
  • 地中海の光や風景から着想を得たパステルカラーと鮮やかなアクセントカラー、軽やかなオーガンザやシボリ技法を取り入れた素材使いが特徴。
  • バルーンシルエットやリラックスしたテーラリング、実用性を備えたバッグやフラットシューズを通して、自然体の幸福感を表現した。

地中海の風景を映す、印象派のようなカラーパレット

「Le Bonheur」の世界観を最も雄弁に物語っていたのは、今季のカラーパレットだ。

柔らかなホワイトやアイボリーを基調に、レモンイエロー、アクアマリン、ペールブルー、コーラル、ミントグリーンが爽やかなリズムを描き、コルシカ島の海や空、降り注ぐ陽光を思わせる穏やかな景色を映し出す。パステルカラーと鮮やかなアクセントカラーを重ね合わせた色彩は、印象派の風景画を思わせる繊細な奥行きを生み出した。

さらに、夏の日差しを思わせるイエローのロングコート、水面のきらめきを映したようなアクアマリンのドレス、そして風を受けて柔らかく揺れるホワイトルックが加わる。色彩は単なる装飾ではなく、自然と衣服をつなぐ表現の一部となり、「Le Bonheur」が描く幸福の情景を静かに浮かび上がらせていた。

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軽さと構築性を両立したシルエット

今シーズンのジャックムスは、ブランドらしい大胆なボリュームを残しながらも、より洗練されたミニマリズムへと進化を遂げている。

オーガンザや軽量素材を用いたシャツやローブコートは風を受けて柔らかく揺れ動き、身体を包み込みながらも重さを感じさせない。

ウィメンズでは、裾に向かって丸みを描くバルーンシルエットのスカートやドレスが数多く登場した。ギャザーをたっぷりと寄せた立体的なフォルムは彫刻のような存在感を放ちながらも、空気を含んで揺れることで、自然な動きを生み出している。

一方メンズでは、ゆったりとしたワイドパンツやショートパンツ、リラックスしたテーラリングが中心となり、南仏のリゾートを思わせる抜け感のあるスタイリングを提案した。

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素材研究が生み出す、自然体のセンシュアリティ

ブランドのクラフツマンシップは、肌を見せることよりも、素材が持つ繊細な質感や空気を含む動きによって、自然体のセンシュアリティを引き出していた。

スポーティなタンクトップは、紙のように薄いレザーやボンディングクレープで再構築され、オーガンザには日本の絞り(シボリ)技法を応用した加工を採用。スポーツウェアの機能性とクラフツマンシップを融合させながら、ブランドらしい繊細な表情へと昇華している。

また、透け感のあるレイヤードからのぞく水着やブラトップも決して挑発的ではなく、自然光を受けることで生まれる透明感が、控えめで洗練されたセンシュアリティを印象づける。

ショーの後半には、ビーズ刺繍や立体的な装飾を施したイブニングルックも登場。リラックスしたデイウェアから華やかなイブニングへと移り変わりながらも、コレクション全体を貫く「軽さ」というテーマは最後まで一貫していた。

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日常を彩るバッグとフットウェア

この「Le Bonheur」の世界観は、バッグやフットウェアにも自然につながっていた。

ランウェイには、大容量のレザートートや鮮やかなカラーのショルダーバッグが登場し、リゾートバッグという枠を超え、日常のワードローブにも溶け込む実用性を感じさせる。ミニマルな装いに程よいアクセントを添えながらも、決して主張しすぎることはない。その絶妙なバランスも、ジャックムスらしい美学である。

足元は、フラットサンダルやしなやかなバレエシューズを中心に構成。歩くことそのものを楽しむような軽快さを備え、コレクション全体に流れる自然体のムードを静かに支えていた。さらに、一部には折りたたみ可能なデザインも採用され、旅と日常をシームレスにつなぐ現代的な機能性も提案している。

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「幸福」を自然の中に見出すコレクション

ショーノートでは、「Le Bonheur」を「フレッシュさ、動き、鮮やかな色彩、そして自然体の魅力と本質的な心地よさを表現したコレクション」と位置づけている。

ブランドを率いるサイモン・ポルト・ジャックムス(Simon Porte Jacquemus)は「このコレクションは、夏そのものを思い描きながら制作しました。太陽、色彩、シンプルなものの美しさ、そして軽やかさ。そのすべてが、私にとっての『幸福(Le Bonheur)』です」と語る。

自然の風景を背景に、軽やかな素材、柔らかな色彩、そして身体とともに動くシルエットによって描かれた今季のジャックムス。「幸福」というテーマを、過剰な装飾ではなく、自然との調和や日常の美しさとして表現したコレクションとなった。

ジャックムス 2027年春夏「Le Bonheur」コレクションのすべてのルックは、以下のギャラリーから。

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