マラ ホフマン（Mara Hoffman）、自身の名を冠したブランドをクローズへ

5月19日（現地時間）、デザイナーのマラ・ホフマン（Mara Hoffman）は、24年間に渡り展開してきた自身の名を冠したブランドを、2024年春コレクションをもって終了させることを発表した。

米国ニューヨーク州出身のマラ・ホフマンは、自然や民族文化からインスピレーションを得た大胆でエキゾチックなデザインを得意とし、Ready-to-Wearだけでなく、スイムウェアやブライダルウェアも手掛けてきた。

ホフマンは、1999年にニューヨークのパーソンズ・スクール・オブ・デザインを卒業後、2000年に自身の名前を冠したブランド「マラ ホフマン（Mara Hoffman）」を始動。ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ（Sex and The City）」のスタイリスト、パトリシア・フィールド（Patricia Field）に認められたことでその名が世間に知れ渡ると、ミーシャ･バートン（Mischa Barton）、ニコール･リッチー（Nicole Richie）､パリス･ヒルトン（Paris Hilton）などの有名セレブリティたちも愛用し、ブランドとしての地位を確立。その後、2018年にはサイズ展開を拡大し、2022年には初の路面店をオープンさせた。

またマラ ホフマンは、ニューヨークを代表するエシカルコンシャスなブランドとしてファッション業界を牽引してきた。2014年には、環境と社会に責任のある方法でブランド運営をしていくこと目指し、これまでの制作方法を全面的に見直し。その取り組みには、サプライチェーンの再構築、ポリエステル生地の削減、過剰生産の排除、フェアトレード認証取得のための労働者への投資などが含まれる。ホフマンのこうした功績が讃えられ、2023年には、CFDAの環境サステナビリティ賞を受賞した。

しかしホフマンは声明の中で、「この業界、特にサステナビリティ・ムーブメントに携わる人なら、それが多くの面で容易なことではなかったことをご存じでしょう。」と切り出し、「私たちは、心の底では癒しと向上を望んでいると信じているこの業界で、このビジョンとモデルを機能させるために長い間戦ってきました。しかし、結局のところ、その構造は古臭く、地球とその住民を優先するようには作られていません。その 「成功 」が、いまだ多くの点で、危害や野放図な成長、搾取に結びついていることは周知の事実です」と述べた。

さらに、「私は参加する方向を変えることを選択しましたが、前向きな変化の可能性があることに希望を持ち続けています。新しいシステム、テクノロジー、そして法整備に取り組んでいる多くの素晴らしい人々がいることを知っているからこそ、私たちにはチャンスがあるのです」と続けた。

またホフマンは、「この決断は、私がこれまでに下した決断の中で最も困難で重要なものでした。現在あるマーラ・ホフマン社との関係、そしてブランドと私自身の将来への望みを深く検討しなければなりませんでした」と述べ、次に何をするかは決めかねている現在の心境を伝えた。

なお同ブランドは、2024年春コレクションが最後の商品となる。また、このコレクションと既存の作品については、提供できるものがなくなるまで販売される予定とのことだ。

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