2月2日(現地時間)、ニューヨークファッションウィークの公式スケジュールに先駆けて、マークジェイコブス(Marc Jacobs)が2023年秋冬コレクションを発表した。
会場となったのは、2020年に2月マークジェイコブスがフィジカルなショーを行った時と同様の、ニューヨークのアッパーイーストサイド地区のパーク アベニュー643 番地にある「パーク アベニュー アーモリー」だ。2022年2月のショーを最後に、この数年間はデジタルのみのコレクション発表を行ってきたが、今回は約3年ぶりのフィジカルなランウェイショーへの復帰となる。
同時にこの2023年秋冬コレクションは、昨年12月に亡くなったイギリスのデザイナー ヴィヴィアン ウエストウッド(Vivienne Westwood)へ追悼の意を込めたものでもあった。
「ヒーローズ(Heroes)」と題されたこのコレクションは、「過去のすべてのヒーロー、そして現在の若いヒーロー」への敬意を表している。「パンクの女王」として知られ、イノベーター、アクティビストとしても数々の功績を残したデザイナー ウエストウッドは、90年代にジェイコブスに大きく影響を与えた。
その言葉通り、今回のコレクションはかつてウエストウッドが愛したスタイルがそのまま落とし込まれていた。モデル達は真っ暗な会場に当てられたスポットライトの中を、両腕を組み、高いヒールのプラットフォームシューズで淡々と歩く。ガーメントにはブリーチが施されていたり、デニム、キャンバス、フェイクファー、パッチワーク、クラッシュドベルベットなどが採用され、かつてのパンクムーブメントを彷彿させるものだった。
ジェイコブスはショーノートで、「価値、重要性、可能性を果てしなく追求する新たなシーズンの始まりとともに、これらのコレクションを通じて、美と工芸の概念を拡大し続けています。 制御された放棄と熱狂的なエネルギーを駆り立てて、スタジオを超えた人生を振り返ります。」と、このコレクションへの想いを綴る。また、ノートの最後には「ファッションは人生を豊かにするものであり、他の人のために行う素敵で寛大なことだと思います。」と、ウエストウッドの言葉を引用して記載した。
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