7月26日(現地時間)、ギャップ社(Gap Inc.)は、玩具メーカーであるマテル社の社長兼最高執行責任者(COO)であるリチャード・ディクソン氏(Richard Dickson)を来月からCEOに起用すると発表した。
ディクソン氏は、2000年にマテル社に入社。社長兼最高執行責任者としてグローバルブランドのポートフォリオを率い、イノベーション戦略、デザイン開発、ブランドマーケティング、フランチャイズ管理を統括してきた。彼のリーダーシップのもと、マテル社はブランド構築アプローチである「マテル・プレイブック」を開発・立ち上げ、同社のパワーブランドを成長させることが出来た。
マテル社以前には、ジョーンズ・グループのブランド・ビジネス担当社長兼CEOとして、マーケティング、マーチャンダイジング、卸売、小売、eコマースなど、グローバルなデザインと開発を指揮し、時代遅れのファッション・レーベルに新たな関連性をもたらし、新ブランドの買収と開発に貢献。それに加えて、高級化粧品に特化した初のオンライン小売業者Gloss.comを共同設立し、ブルーミングデールズで重役を務めた経験を持つ。
また近年では、ディクソンの指揮によって、バービー、フィッシャープライス、ホットウィールなどのレガシーブランドが新しい息吹を吹き込むことに成功してきた。こうした彼の功績は、7月21日に公開され、記録を塗り替えた映画『バービー』の興行収入で最も顕著に表れている。
ギャップ社は、オールド・ネイビー(Old Navy)、バナナ・リパブリック(Banana Republic)、アスレタ(Athleta)など現在不振に陥っているブランドを、ディクソンの力によって再生できることを望んでいる。
同社の取締役会の主席独立取締役であるメイヨーA.シャタックIII世(Mayo A. Shattuck III)は声明の中で、「リチャードは、ギャップ社が長期的に会社を強化するために行っている取り組みの重要な分野において、非常に貴重な専門知識を持っています。」と述べた。
昨年夏、ソニア・シンガル前代表(Sonia Syngal)が退任した後、同社の暫定代表を務めたボビー・マーティン(Bobby Martin)は、取締役会会長に復帰するという。
「ギャップ社には豊かな伝統があり、人々の生活に大きな意味を持つブランドがあります。熟慮に熟慮を重ねたサーチ・プロセスの中で、リチャードが今この瞬間にこの役割を担う運命にあることは明らかでした。変革をもたらすブランド構築者としての実績と、包括性の力に対する信念を持つ彼は、同社に最適な人物です。」と、マーティンは声明で述べた。