リアーナ「サヴェージ X フェンティ」の新CEOにヒラリー・スーパーを任命

人気歌手のリアーナ(Rihanna)を筆頭に、LVMHを含む投資家が共同経営するランジェリーブランド「サヴェージ X フェンティ(Savage X Fenty)」は、新最高経営責任者兼取締役にヒラリー・スーパー(Hillary Super)を任命することを発表した。

このニュースは、米国ヴォーグ誌が最初に報じ、その後スーパーのリンクトインの個人アカウントでの投稿で確認された。今後、スーパーはブランド創業者のリアーナの後任となり、リアーナは引き続きエグゼクティブ・チェアとしてリーダーシップを発揮するとのこと。

ヒラリー・スーパーは、米国で人気のセレクトショップで知られる「アンソロポロジー・グループ(Anthropologie)」のグローバルCEOを2021年4月までの約4年間務めてきた背景を持つ。またそれ以前には、同社のグローバル・プレジデントを務め、ゲス(Guess)、アメリカンイーグルアウトフィッターズ(American Eagle Outfitters)、ギャップ(Gap Inc.)で様々な指導的立場にあたっていた。

スーパーは、ヴォーグ誌の取材に対し「サヴェージ x フェンティ ファミリーの一員になれたことに感激しています。」「このブランドはランジェリーやアパレル業界において大きな力を持っており、包括性と大胆不敵さを称えるという揺るぎないコミットメントは刺激的です」と述べた。

今回の人事異動によって、サヴェージ X フェンティは、Eコマースの枠を超えて実店舗の展開や卸売りの開始など、小売の拡大を次のレベルに引き上げることを目指す。2022年にラスベガスに1号店をオープンして以降、同ブランドはロサンゼルス、ヒューストン、ラスベガス、アトランタなどアメリカに7店舗をオープンさせた。また、リアーナがスーパーボウル出演時には、ロサンゼルスで同ブランドのポップアップショップも開催した。

サヴェージ X フェンティの実店舗の外観。

ブランドは、リアル店舗でのテクノロジー導入にも注力を注いでおり、2月にはFit:Matchと提携し、店舗内でのデジタル・フィッティング・サービスの新しい試みを開始している。このツールは、センサーを使って顧客の体をスキャンすると、お勧めの商品を提供することが出来るというものだ。

同社はEコマースから実店舗への進出について、「私たちはDTCモデルで非常に熱心な顧客ベースを持っていると同時に、実際に顧客がいる場所で他のアクセス手段を提供することによって、さらに事業を拡大していく機会があるということも認識しています。」とヴォーグへ話した。

同社は2022年1月、ニューバーガー・バーマンが主導するシリーズC資金調達ラウンドで1億2500万ドルを調達。また、2022年初頭には30億ドル規模のIPO計画が大々的に報じられていたが、同社からヴォーグの取材へ明確な回答は得られなかったと伝えられた。