ティッサ フォンタネダ(Tissa Fontaneda)が魅せるクラシックラグジュアリーな「バブル」レザーコレクション

今年2月に開催されたパリ・ファッション・ウィーク2024年秋冬コレクション。有名メゾンたちが連日大掛かりなショーを実施する中、同時にさまざまなブランドがプレス向けにプレゼンテーションや、イベントを開催した。

そんなパリコレ真っ只中に、OSF編集部の目に留まったのが、スペイン発のレザーバッグブランド、「ティッサ フォンタネダ(Tissa Fontaneda)」だ。

ティッサ フォンタネダは、2010年の創業以来、最高品質の革と最新技術を組み合わせ、妥協のないデザインを追求しているバッグブランドである。ギャルリー・ヴィヴィエンヌのアーケードの中に立ち並ぶアットホームなストア内には、ピンクやレッド、グリーン、オレンジなどの色鮮やかな新作コレクションが展示されていた。

ティッサ フォンタネダのアイテムはすべて、スペイン製の最高級ナッパレザーを使用しており、熟練した職人らのクラフツマンシップによって1点ずつ精巧に生産されている。バッグのほかに、ネックレスやベルト、カフスといったレザーアクセサリーも取り揃えており、どのアイテムも最高の品質と職人技、そしてディテールへのこだわりが強く感じられるものだ。

創立者兼デザイナーであるティッサ・フォンタネダ(Tissa Fontaneda)は、1965年、ドイツのミュンヘン生まれ。話を聞くと、彼女は人生の大半を海外で過ごしており、そのキャリア遍歴は実に多彩なものだった。

フォンタネダはイタリアのトリノ大学を卒業後、ファッション業界でのキャリアを求めパリへ渡った。パリでは、パリでは、ダニエル・スワロフスキー(Daniel Swarovski)で、ローズマリー・ル・ガレ(Rosemarie Le Gallais)とエルヴェ・レジェ(Hervé Leger)のデザイン・アシスタントとして経験を積む。5年後にはマドリードに移り住み、ロエベ(Loewe)でティエリー・ミュグレー(Thierry Mugler)のハンドバッグ・コレクションの開発に携わった。ロエベがLVMHグループに買収されると、今後はナルシソ・ロドリゲス(Narciso Rodriguez)のもとでロエベのアクセサリーの生産責任者に就任。その後、カルティエやダンヒル、コノリー、ルイ・ヴィトンなどのブランドでも働いたという。

長年に渡り、業界での豊富な経験を築いたフォンタネダは、「クリエイティブなビジョンとラグジュアリー・アクセサリーの世界における専門知識を融合させたい」という強い思いから一心発起し、2010年に自身の名を冠したレーベルを始動させたのだ。

そんなティッサ フォンタネダの代名詞と呼ばれるのが、立体的な丸みを帯びた「バブル」模様だ。このシグネチャーの「バブル」模様は、ブランドのすべてのアイテムに取り入れられており、クラシックでありながら時代を超越するユニークなフォルムを兼ね備えている。

フォンタネダは制作について、「このデザインは、蒸して収縮させるという非常に特殊な技術によって作られており、10時間にも及ぶ非常に複雑な職人技でしか成し得ないものなのです」と話す。

Courtesy of Tissa Fontaneda

また、ハンドバッグとアクセサリーの生産はすべて、マドリードとウブリケで行われるという。ウブリケはスペイン南部の小さな町で、「職人技のシリコンバレー」という異名を持つほど、皮革産業が盛んなことで知られている。

ティッサ フォンタネダのレザー製品に触れると、信じられないほどキメが細かく、滑らかで、しっとりとした手触りに驚かされた。同ブランドの製品には、世界最高級の「エントレフィーノ」ラムスキンが使用されており、仔羊達は、皮のためというより、むしろ栄養補給のために飼育され、特定の動物福祉プロトコルや権利に配慮して飼育されているそうだ。

また、加工技術にも熟練の職人技が欠かせない。最高品質のレザーはスペイン北部で、ヨーロッパ、アジア、アメリカのレザーファッション業界で高い地位を占める一族によってなめされており、一族は80年以上の間、職人の技術と真正性を革新的で近代的な工程と融合させ、原産地の革を厳しく選別することで、製品の最高水準の品質を維持してきた。

その他、フォンタネダは環境問題にも渾身的に取り組み続けている。ティッサ フォンタネダは、使い捨てプラスチックの使用を避けるなど、様々な方法でスローファッション運動の原則を遵守している。また、新作コレクションの発表は、年に2回のみ。前シーズンのコレクションと並行して、いくつかの新モデルと新色が紹介されるが、あるシーズンで販売されなかったバッグやアクセサリーは、次のシーズンで再び販売するような工夫がなされている。

こうした熱心な取り組みを行いながら、ブランドは、「ファッション業界における過剰な消費文化に異議を唱え、デザイナー、小売業者、消費者がファッションに対してより倫理的なアプローチをとることを奨励してきた」という。

今日、ティッサ フォンタネダは、最も個性的で魅力的な高級ハンドバッグ・ブランドのひとつとなり、そのインスピレーション溢れるデザインは、世界中の高級ブティックで広く知られるようになった。フォンタネダのこだわりと理念が凝縮された、滑らかで触り心地の良い最高級のレザーアイテムは、時代を超越し、世界中の上流顧客やファッショニスタ、ラグジュアリー通を魅了してやまないのである。

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