7月25日(現地時間)、ファッションとテクノロジーの融合を推進する株式会社OpenFashionは、生成AIを用いたファッションデザインコンテスト「TOKYO AI Fashion Week 2025 A/W Contest」の受賞結果を発表した。
同コンテストは、「TOKYO AI Fashion Week – 2025 A/W」のコンテンツのひとつとして、2025年秋冬をテーマに開催。生成AIを活用してコンセプトからビジュアルまでを一貫して創り上げるという形式で、世界中から多様な才能が集結した。
作品のテーマは「Neo-Japonisme(新ジャポニズム)」。伝統と未来、文化とテクノロジーのあいだに広がる新たな表現領域に、クリエイターたちが挑んだ。
最優秀賞に輝いたのは、SaYaKaによる「KAWAII VANGUARD」だ。五大エレメント、アンドロイドの身体性、ロリータ文化の記号性といった多様な要素を融合させた独自のビジュアル世界は、圧倒的な存在感を放ち、審査員から高く評価された。
審査員を務めた株式会社ish 代表取締役・ファッションテックデザイナー・共立女子大学准教授・デジタルハリウッド大学客員准教授のオルガ(Olga)は、「AI Fashion Weekだからこそ、AIによる表現の拡張スキルとファッション性のバランス感覚が重要で、本作品は色彩や構成、AI的表現力の可能性を見事にバランスよく表現していたと思います」とコメント。
「五大エレメントの象徴性、アンドロイドの身体性、ロリータの記号性まで、すべてがバランスよく制御されて構築されていました。画像生成やAIとの対話によるコンセプトメイキングなど、生成AIの複合活用がしっかり伝わってきて、生成AIを都合の良い画像生成ツールとして捉えるのではなく、共創し表現の可能性を切り開こうとしていると感じました」と続けて説明した。

優秀賞のひとつには、Marshmellaxyによる「浮世衣 UKIYOE」が選ばれた。現実では実現が難しい素材や技術を取り入れた本作は、AIならではの創造性を提示し、特に“現実では手間と時間を要するデザインを新たな視点で表現した点”が評価された。
WWD JAPAN編集長の村上要は「今の技術では実現できない、もしくは実現するには途方もない手間や暇を要する素材やテクニックによる洋服の可能性を考えるという、今、私が考えるAIの使い方を意識しているように思えて共感できた」とコメントしている。

もうひとつの優秀賞には、aktpapaが手がけた「Techno-Wagara」が選出。日本の伝統文様をベースに、素材や構造に最新技術を取り入れた本作は、クラフトとテックの融合を象徴する未来志向のデザインとして注目を集めた。
一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構(JFWO)事務局長の古茂田博は、「日本の伝統文様をベースに、素材と最新技術を取り込み、デザイン・フォルムを様々な視点で表現し、未来のファションを創造(想像)させる素晴らしい出来栄えの作品。圧倒的な魅力を感じる」と高い評価を伝えた。

さらに古茂田は、今回のコンテストについて「注目した作品は多数ありました。回を追うごとに技術力進化を感じさせるものばかりで感心しています。今後も更なる進展があると期待しています」と、総評を述べている。
受賞作品の全てのコレクションは、「TOKYO AI Fashion Week」公式サイトにて公開中。
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