3月28日(現地時間)、ヴァレンティノ(Valentino)は新クリエイティブ・ディレクターにアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)を起用したことを正式に発表。
ブランドは、先週、ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)の引退を公表したばかりだったが、新クリエイティブ・ディレクターにアレッサンドロ・ミケーレを迎え入れることで、新たな方向性を決定したようだ。
ミケーレの正式なブランドへの就任は、2024年4月2日から始まる。ヴァレンティノで彼が最初に手がけるコレクションは、今年9月に開催される「パリ・ファッション・ウィーク 2025年春夏」で披露される予定だ。
ローマ出身のアレッサンドロ・ミケーレは、1994年にローマの名門ファッション学校「アカデミア・ディ・コスチューム・エ・ディ・モーダ(Accademia di Costume e di Moda)」を卒業。イタリアのニットウェアブランド、レ・コパン(Les Copains)でキャリアをスタートさせた。その後、フェンディ(Fendi)に転職すると、シルヴィア・フェンディ(Silvia Fendi)とカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)のもとで、シニア・アクセサリー・デザイナーとして卓越した革小物のデザインで才能を発揮した。
2002年にはトム・フォード率いるグッチに移籍。13年間に渡ってデザインスタジオで裏方として働いた。しかし、2015年にミケーレが同ブランドのクリエイティブ・ディレクターに抜擢されると、大胆不敵にメゾンの既存のイメージを一新し、マキシマリズムの思想を吹き込み、豊富なパターン、色、素材を披露した。また、当時のCEOであるマルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)と共に、2014年には35億ユーロだった売上を、2022年には97億3000万ユーロへとほぼ3倍に成長させた。ミケーレが手がけたグッチ初のファインジュエリーラインやビューティーライン、リストランテ事業もメゾンに更なる飛躍を齎した。
その後、2022年後半にグッチ(Gucci)のクリエイティブ・ディレクターを退任。それ以来、ブランドには所属せず、フリーエージェントとして活動していた。
ミケーレは、今回の就任について声明の中で、「独特のエレガンス、洗練、そして極上の優美さで構成された集合的な物語に「美」という言葉が刻まれているメゾン・ド・クチュールに加わることに、計り知れない喜びと大きな責任を感じています」と、その喜びを伝えた。
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なお、ヴァレンティノは、6月に予定していたメンズウェアとオートクチュールコレクションの発表には、参加しない意向を示している。