6月5日(現地時間)、オランダの半導体製造装置メーカーASMLホールディング(ASML Holding NV)は、時価総額で初めてLVMHを抜き、欧州第2位の上場企業となった。
ブルームバーグ(Bloomberg)は、本日ASMLの株価が8.1%上昇し、評価額が約3770億ユーロとなったことを報じた。これまでの欧州市場では、ラグジュアリーコングロマリットのモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH Moet Hennessy Louis Vuitton SE)が時価総額第2位を保持していたが、本日その順位が覆されたことになる。
現在欧州市場のトップは、デンマークのグローバル製薬会社、ノボノルディスク(Novo Nordisk A/S)であり、2位がASMLホールディング、3位がLVMHという並びだ。
ASMLの株価の上昇は、同社の主要顧客であるチップメーカーの台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.)が、年内に高NA EUV装置を導入する予定であるというニュースによって後押しされた。ブルームバーグは、「TSMCが以前から同装置の価格設定に懸念を示していたことから、同社がASMLの高NA EUV装置を導入するニュースは、ASMLの投資家らに安心感を与えた」と伝えている。なお、ASMLが生み出したチップ製造装置は、最も強力なもので1台あたり3億5000万ユーロの高価格が付けられているという。
対するLVMHは、近年ラグジュアリー業界全体の売れ行きが鈍化している傾向から、同グループの株価もこの1ヶ月間で下落していた。同様に、LVMHの競合であるケリング(Kering)も、主力ブランドのグッチ(Gucci)の第1四半期の売上高が減少したことを受け、上半期の営業利益が40%〜45%減少するとの見通しを示している。