米国高級百貨店のノードストローム(Nordstrom)、第3四半期の売上拡大と収益性向上で成長を加速

Nordstrom

11月26日(現地時間)、米国高級百貨店のノードストローム(Nordstrom)は、第3四半期2024年の業績を発表し、純売上高が前年同期比で4.6%増加し、全社の比較可能な売上高も4.0%増となったことを明かした。

さらに、純利益は4600万ドル、1株当たり利益(EPS)は$0.27を達成し、調整後EPSは$0.33に達した。また、利払い前税引前利益(EBIT)は8300万ドルで、調整後EBITは9700万ドルと、収益性の高さを示す好調な結果となった。

売上成長が収益性を押し上げる

ノードストロームの売上成長を牽引しているのは、ディスカウント製品を取り扱う「ノードストローム ラック(Nordstrom Rack)」だ。同ブランドの純売上高は前年同期比で10.6%増加、比較可能な売上高も3.9%増と力強いパフォーマンスを見せている。また、主力ブランド「ノードストローム(Nordstrom)」も安定した成長を遂げ、純売上高が1.3%増加、比較可能な売上高は4.0%増を記録している。

商品カテゴリーに目を向けると、特に女性用アパレルやアクティブウェアが際立っており、前年同期比で2桁成長を達成。さらに、シューズ、男性用アパレル、キッズウェアも中~高シングルディジットの堅実な成長を遂げた。これらのカテゴリーは、前四半期からさらに成長が加速しており、顧客からの支持がますます高まっていることを示している。

加えて、デジタル分野も顕著な伸びを見せた。オンライン売上は前年同期比6.4%増加し、全体売上の34%を占めるまでに成長。オンラインと店舗の統合されたショッピング体験が、顧客満足度の向上に寄与していると言える。

収益性と在庫管理のバランス

第3四半期の売上総利益率は35.6%で、前年同期の35.0%から60ベーシスポイント改善。この改善には、通常価格での販売増加が大きく貢献した。一方、販売費および一般管理費(SG&A)は売上高比36.6%となり、前年同期の36.3%からやや上昇。これは労働コストの増加と技術減価償却費が影響している。

在庫は前年同期比5.9%増加したが、同社は効率的な在庫管理を維持し、柔軟な対応を続けている。過剰在庫を避けつつ需要に対応するこのアプローチは、収益性と成長性を支える鍵となっている。

店舗展開の強化と成長戦略

また2024年度、ノードストロームは全米で23店舗を新規オープンし、その存在感をさらに強めた。中でも、ディスカウントストア「ノードストローム ラック」の勢いが顕著であり、カリフォルニア州やフロリダ州といった成長著しい主要市場への出店が際立っている。

さらに、2025年春から秋にかけて16店舗の新規オープンを計画しており、同社は今後も積極的な店舗拡大を進める構えだ。これらの展開は、顧客体験をさらに向上させるとともに、店舗でのショッピング体験とデジタル販売を統合することで、地域ごとの市場シェアを拡大する重要なステップとなる。

ホリデーシーズンへの期待と今後の展望

現在ノードストロームは、ホリデーシーズンを目前にさらなる飛躍を目指している。同社は、売上高成長率を前年(53週)比0~1%、調整後営業利益率を3.6~4.0%、調整後EPSを$1.75~$2.05と予測している。

ノードストローム株式会社のCEOであるエリック・ノードストローム(Erik Nordstrom)は、「これからもショッピング体験の改善に努め、これまで1年間かけて築いてきたポジティブな勢いを維持していきたいと考えています」とコメント。

また、ノードストローム株式会社の社長であるピート・ノードストローム(Pete Nordstrom)も、「今年を通じた私たちの行動がこの成果につながり、ホリデーシーズンに向けて成功を収めるための良い位置に立っていると感じています」と述べた。

同社は今後も、時代のニーズに応じた柔軟なアプローチと顧客中心のサービスを軸に、持続的な成長と利益率の向上を意欲的に目指していく意向だ。

No Comments Yet

Leave a Reply

Your email address will not be published.