ロレアルが英スキンケア「メディケイト(Medik8)」の過半数株式を取得へー 科学主導のプレミアム市場に本格参入

「メディケイト(Medik8)」

LVMH傘下ブランドとの競争が激化するなか、ロレアル グループ(L’Oréal Group)がまた一つ美の方程式を強化する動きに出た。

6月9日(現地時間)、ロレアルグループは英国発のプレミアムスキンケアブランド「メディケイト(Medik8)」の過半数株式を取得する契約を締結したことを発表。これにより、メディケイトはロレアルのラグジュアリーディビジョンに正式に加わる見通しである。

科学×美容のハイブリッド型ブランド「メディケイト(Medik8)」

メディケイトは、科学者エリオット・アイザックス(Elliot Isaacs)によって創業され、「Crystal Retinal」などの高機能レチノール美容液や、「CSA哲学(ビタミンC+日焼け止め+ビタミンA)」といった明確な成分提案で知られるブランドだ。“Results without compromise(妥協なき結果)”を掲げ、専門家向けスキンケアの出自を持ちながら、現在では欧州の主要リテーラーを中心にオンラインとオフラインの両軸で展開。米国市場でもプレゼンスを拡大している。

今回の買収により、ロレアルはスキンケア部門におけるサイエンスベースの提案力をさらに強化し、既存のラグジュアリーポートフォリオを補完する狙いがある。

ロレアル ラグジュアリーディビジョンのプレジデント、シリル・シャピュイ(Cyril Chapuy)は、「高い効果が実証されていながら手の届く価格帯のプレミアムスキンケアとして、Medik8は当社のスキンケアポートフォリオを見事に補完してくれます。ブランドのグローバルな可能性を確信しており、世界中での存在感を築く旅路を共に歩めることを楽しみにしています」とコメント。

一方、メディケイトのCEOであるサイモン・コーブル(Simon Coble)も、「科学、イノベーション、そして何より『妥協のない効果』への強い信念という価値観を共有する企業と力を合わせられることを心から嬉しく思います。今後、革新的な製品をより多くの人々へ届けるべく、新たなフェーズに進むことに期待しています」と語った。

ロレアルは本取引の完了後、メディケイトの売上を連結計上する予定で、少数株主に対する完全買収のオプションも保持している。なお、今回の買収においては欧州の投資会社インフレクション(Inflexion)が引き続き少数株主として残るほか、創業者や既存経営陣も引き続き関与する体制を維持するという。

メディケイトは、近年のクリーンビューティやサステナブル処方の潮流の中で、成分透明性と効果性の両立を掲げる数少ないプレミアムブランドの一つとされており、今後のロレアルグループ全体のイノベーションドリブンな戦略においても重要なピースとなりそうだ。

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