LVMH、第1四半期は「オーガニック成長維持」も主力ファッション部門が減速 ─ 中東情勢が影響

LVMH Loses Position as Europe's Second Largest Listed Company to ASML Holding

4月13日(現地時間)、フランスのラグジュアリーグループ「LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH Moet Hennessy ‐ Louis Vuitton SE)は、2026年第1四半期決算を発表。売上高は191億ユーロとなり、前年同期比で報告ベース6%減、オーガニックベースでは1%増と、外部環境の影響を受けながらも成長を維持した結果となった。

同社は声明の中で、「中東における紛争によって増幅された地政学的・経済的な混乱の中でも、強力なイノベーションの勢いを維持し、良好なレジリエンスを示した」と説明している。

ファッション部門の減速が全体の重しに

今回の決算で特に注目されるのは、グループの中核を担うファッション&レザーグッズ部門の減速である。同部門の売上はオーガニックベースで2%減となり、全事業の中で最もネガティブな動きを示した。

この背景には、中東情勢の悪化がある。同社も同地域での紛争がグループ全体のオーガニック成長に対し約1%のマイナス影響を与えたと明らかにしている。

一方で、ブランド単位では明暗が分かれる。ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)はモノグラム誕生130周年を軸にブランド価値を強化。ディオール(Dior)では、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)による初のプロダクトが店頭に展開され「非常に高い人気を博した」とされている。

地域別ではアジア回復、米国は好調維持

地域別では、米国市場が年初から堅調な滑り出しを見せた。欧州および日本では観光需要の鈍化が見られたものの、ローカル顧客の需要が一定の下支えとなった。

特に日本を除くアジアは力強い成長を記録し、2025年後半から見られていた回復基調が継続していることが確認されている。一方、中東市場は年初は好調だったが、3月以降の紛争により影響を受けた。

ジュエリー・リテールは成長、ポートフォリオの分散が機能

部門別では、ウォッチ&ジュエリー部門がオーガニックベースで7%増と好調に推移。ティファニー(Tiffany & Co.)を中心に成長が続いている。セレクティブリテーリングも4%増と堅調で、セフォラ(Sephora)がグローバルで市場シェアを拡大した。

一方で、パフューム&コスメティクス部門は横ばい、ワイン&スピリッツは5%増と、カテゴリーごとに異なる成長曲線を描いている。

地政学リスク下でも問われる「ブランド力」

中東情勢という外部要因が業績に影響を与える中でも、LVMHはブランド投資と商品力を軸に安定性を維持している。同社は「ブランド開発に引き続き注力し、イノベーションと投資、そしてデザインの品質と魅力、選択的流通を追求する」としており、グローバルでのリーダーシップ強化への姿勢を鮮明にした。

2026年のラグジュアリー市場においては、地域分散とポートフォリオ戦略が、企業の耐久力を左右する重要な要素となりそうだ。

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