4月14日(現地時間)、米ファッション・アート・カルチャー誌の「Wマガジン(W Magazine)」は、新たな出版物「WYouth」の創刊を発表した。発行は年2回を予定しており、2026年9月に創刊号がニューススタンドに並ぶ見込みだ。編集長兼WメディアCEOであるサラ・ムーンヴェス(Sara Moonves)が全体を統括し、エイヴァ・ニルイ(Ava Nirui)が編集を担う。
次世代へ向けたWの再解釈
WYouthは、1972年創刊のWマガジンが築いてきたビジュアル重視の編集哲学やトーンを継承しつつ、次世代の読者に向けて再構築された媒体となる。プリントは年2回の発行、加えてデジタルコンテンツを随時展開し、WMagazine.com上でも配信される予定だ。過去のアーカイブを現代的な視点で再編集し、ブランドの歴史と美学を新しい読者へと繋いでいく。
また、誌面は本誌の約半分のサイズで設計され、持ち運びやすいコンパクトなフォーマットを採用。バックパックやバッグに収まる仕様とすることで、日常的に携帯できる“コレクタブルな雑誌”としての位置づけを打ち出す。
エイヴァ・ニルイを編集に起用、カルチャーとZ世代感性を融合
同雑誌の編集を担うエイヴァ・ニルイは、ニューヨークを拠点に活動するクリエイティブディレクターであり、ファッションとインターネットカルチャー、Z世代の感性を横断する表現で知られる存在だ。2019年にはマーク ジェイコブス(Marc Jacobs)に参画し、グローバルクリエイティブ責任者としてブランドキャンペーンやデジタル戦略を統括。さらに2020年には若年層向けライン「ヘブン・バイ・マーク ジェイコブス(Heaven by Marc Jacobs)」を立ち上げ、限定ドロップやアーティストコラボレーションを通じて独自のカルチャー圏を形成してきた。
ニルイは今回の新媒体について次のように語る。
「WYouthのアイデアは、ソフィア・コッポラとサラ・ムーンヴェスとの会話から生まれた。私たちがティーンエイジャーだった頃に夢中になった雑誌の存在は、非常に大きな影響を与えていました。その精神を現代に蘇らせたいと考えたのです。」
「ポップカルチャーの実験性やフィジカルメディアの魅力を通じて、スタイルやビューティ、ファッションの歴史を次世代に伝えていきたいです。このビジョンを形にできることに大きな喜びを感じています。」

“ノスタルジーと革新”の融合としての新雑誌
そして、2019年にWマガジンの編集長に就任し、同誌初の女性編集長かつ主要米ファッション誌における最年少編集長として知られるサラ・ムーンヴェス。彼女の下でWは独立企業Wメディアへと再編され、デジタルおよびソーシャル領域への拡張を進めてきた。今回のWYouth創刊は、その延長線上にある次世代読者の獲得戦略の一環と位置づけられる。
ムーンヴェスは今回のプロジェクトについて次のようにコメントしている。
「ソフィア・コッポラがエイヴァを紹介してくれたことに心から感謝しています。彼女はカルチャーとファッションの交差点を深く理解し、それらをより大きな価値へと昇華させる力を持っています。新しいトレンドを見抜くだけでなく、自らそれを形づくる存在であり、今の時代に本当に求められる視点を届けてくれるでしょう。そのビジョンこそがWYouthの核なのです。」
「Wの持つ洗練されたスタイルに、ノスタルジーをほんの少し加えながら、新しい世代の読者に向けた雑誌をチームと共に創り上げるプロセスは夢のような体験でした。創刊号を届けるのが待ちきれません。」

ソフィア・コッポラらが編集に参加、世代横断型の編集体制
WYouthは、バイラル性のある新進タレントから、カルト的支持を集める存在、さらにはWの歴史を象徴するアイコンまでを横断的に取り上げる。加えて、既存のクリエイターに加え、新進フォトグラファーやスタイリストとの協働も積極的に行うことで、未来のWブランドを形づくる人材の発掘にもつなげる狙いである。
また編集体制には、映画監督ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)と、その娘コジマ・マーズ(Cosima Mars)がコントリビューティングエディターとして参加。成熟した美意識とティーン世代の視点を融合させることで、従来のWとは異なる新たな編集アプローチを提示する。
さらに、リン・ハーシュバーグ(Lynn Hirschberg)、アルマン・リムナンダー(Armand Limnander)、ケヴィン・テキネル(Kevin Tekinel)、シャルル・ルヴェ(Charles Levai)ら既存のW編集チームも両媒体を横断して制作に関与する。
フィジカルメディアの再評価が進む中で、コンパクトかつ収集性の高いフォーマットとカルチャー志向の編集を掛け合わせた同誌は、ラグジュアリーメディアと次世代の関係性そのものを再設計する存在へと進化していく可能性を秘めている。
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