Z世代消費者の心を掴む新しいマーケティング

Cider

新しい時代のトレンドをリードするZ世代

今日はZ世代に向けたマーケティング戦略について興味深い発見と情報があったのでそれをシェアしていきたい。

筆者はミレニアル世代にあたるが、ソーシャルメディアで見るものや選ぶ物の好みは、どちらかというとZ世代寄りだ。特にコンテンツクリエイター、そしてデジタルメーケティング戦略スペシャリストとして働く上で、ソーシャルメディアは仕事でもあり、私の生活の一部でもあるので、そこで生まれているトレンドを読んだり、ブランドがどのようなアプローチをしているかというプロセスと結果にいつも注目している。

Z世代というと、スマホやインターネット、ソーシャルメディアが当たり前に日常生活にある環境で育っており、会社員や公務員というような仕事ではなく、自身がクリエイターやインフルエンサーとしてとしてコンテンツ発信することが仕事という事がキャリアの選択肢として確立されている世代だ。

特に2020年にコロナ渦になってからはTiktokのユーザー数が急激に増加し、昨年の2021年には世界のユーザー数が10億人を超え、インスタも負けじとリール機能を導入して、さらにZ世代が新しい時代のトレンドをショート動画の中で生み出す存在になってきた。ちなみに今年2022年には、Tiktokの世界のユーザー数が15億人を超えるだろうと言われている。

Z世代の為のブランドCiderのマーケティング戦略&ブランドとして大切にしていること

そんな流れの中で、多くの企業がZ世代の消費者に向けたマーケティングに力を入れているが、2022年Z世代の心を掴む為には「コミュニティファースト、ソーシャル(メディア)ファースト」なマーケティングがキーワードとしてあげられる。

その中でも注目されているのが、2020年の10月にローンチしたばかりのまだ新しいアメリカのZ世代向けのファッションブランド「Cider(サイダー)」だ。価格は15ドル〜35ドルくらいの洋服が中心で、H&MやForever21のようなファストファッションに位置付けられ、ティーンエイジャーや20代前半でも手の届きやすい価格帯のブランドである。

Ciderのウェブサイトのポップなデザインやファッションスタイルを見ると、アメリカのTiktokerがよく着ているようなアイテムが溢れており、まさに今のトレンドをしっかりと押さえているのが伺える。

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https://www.shopcider.com/
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https://www.shopcider.com/

そして、このCiderが従来のファストファッションブランドと圧倒的に違うところが、「自分たちの顧客の意見を元に洋服を制作している」ところだ。

このブランドは自社のデータサイエンティストが、TikTokをメインとしたソーシャルメディアのデータスキャンし、今まさにどのトレンドが話題になっているのかを把握しているという。そしてそれらのトレンド基づき、新しい商品をリリースする前に自分たちの既存顧客やフォロワーに「このデザインについてどう思うか」というフィードバックをもらってから作るというサイクルで、いかに自分たちの顧客が求める商品を作るかということに力を入れているブランドだ。このマーチャンダイジング戦略をすることで、Ciderの顧客との強いコミュニティが作られ、Z世代の顧客も「自分たちの意見が反映されてできた商品」を好んで着るようになるだろう。

Ciderの代表は、「自分たちのコミュニティの助けを借りて、人気のあるものをさらに人気のあるものにすること」だと話す。

またCiderは、ブランドを多くの人に認知させる為、最初にTiktokとインスタグラムにおけるインフルエンサーマーケティングに力を入れた。

筆者の私もインスタグラムやTiktokを開くたびにCiderの広告やコンテンツがおすすめとして上がって来ており、以前より様々なインフルエンサー達が着ているのを目の当たりにした。その結果、TikTokではハッシュタグ「#shopcider 」の再生回数が3400万回、「#cidergang 」は1500万回を回ったという。

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https://www.shopcider.com/

また、Ciderは環境問題などに興味や意識が高いZ世代が消費者なので、リーズナブルな価格帯の洋服でも不必要な大量生産を行わない為に、商品をプリオーダーで注文を受け数量限定で制作し、顧客の反応や売れ行きを見て再販するということも実施している。

こういったサイダーのようなZ世代ブランドの流れからも、今後は更に「顧客とより強い関係性をソーシャルメディア上築き、ブランドと顧客の間でコミュニティで作っていけるブランド」とがそれぞれの業界で優位に立つ時代になるだろう。