コンセッション(Concession)

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コンセッション(Concession)とは、百貨店やショッピングモール内にブランドが自社スタッフを配置し、独自の内装とVMDで運営する売場形態である。「ショップ・イン・ショップ」とも呼ばれ、場所は百貨店が提供しつつ、商品の所有権と販売リスクはブランド側が負う。百貨店の集客力とブランドの世界観を両立させる、ファッションリテールの主要な出店形態である。

Deep Dive

コンセッション契約の構造

コンセッション契約では、ブランドは百貨店に売上の一定割合(通常25〜40%)を手数料として支払う。ブランドは自社の販売員を配置し、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)、接客サービス、在庫管理を独自にコントロールする。この形態は、百貨店側にとっては在庫リスクなしにフロア構成を充実させられるメリットがあり、ブランド側にとっては百貨店の立地と集客力を活用しつつブランド体験の一貫性を維持できるメリットがある。日本の百貨店では、このコンセッション形態が売場の大部分を占めており、三越伊勢丹、高島屋、阪急などの主要百貨店では、各フロアが個性的なブランド空間のモザイクとなっている。

コンセッション vs. 買取・委託販売

百貨店における取引形態は、コンセッション(消化仕入れ)、買取仕入れ、委託販売の三つに大別される。買取仕入れでは百貨店が在庫リスクを負い、より高いマージンを得る。委託販売では商品の所有権はブランドに残り、売れた分だけ百貨店が手数料を得る。日本の百貨店では消化仕入れ(コンセッション)が圧倒的に多く、売上の70%以上を占めるとされる。この構造は百貨店の在庫リスクを最小化する反面、ブランドとの力関係においてバイイングの主体性を失わせ、「場所貸し業」との批判を招いてきた。近年、自主編集売場の拡大や体験型リテールの導入など、百貨店の差別化戦略が模索されている。

コンセッションの進化と新形態

デジタル時代のコンセッションは、フィジカル空間を超えて進化している。オンライン百貨店のバーチャルコンセッション、ポップアップ型の短期コンセッション、シェアードスペース型のフレキシブルコンセッションなど、新たな形態が登場している。Selfridgesの「Project Earth」やGaleries Lafayetteの「Go for Good」のように、サステナビリティをテーマにしたキュレーション型コンセッションも増加している。日本では、GINZA SIXのコンセプチュアルなコンセッション空間や、渋谷PARCOの実験的なフロア構成が、次世代のコンセッションモデルとして注目を集めている。

OSFパースペクティブ

OSFは、コンセッションを百貨店文化とブランド文化の交差点と捉えている。最良のコンセッションは、百貨店のキュレーション力とブランドの世界観が化学反応を起こし、単独では実現できない購買体験を創出する。日本の百貨店文化が培ったきめ細やかなコンセッション運営は、世界のリテールに示唆を与える価値がある。

関連用語

百貨店, ショップ・イン・ショップ, VMD, 消化仕入れ, フラッグシップストア

注目ブランド

三越伊勢丹, Selfridges, Galeries Lafayette, GINZA SIX, Harrods