Deep Dive
着地原価の構成要素
着地原価は、製品原価(Ex-Works価格)、国際輸送費(海上/航空/鉄道)、貨物保険料、輸出入通関費用、関税(HSコードに基づく税率)、消費税・付加価値税、港湾・空港ハンドリング料、国内配送費、検品・品質管理費用、為替ヘッジコストなどで構成される。ファッション製品の場合、FOB価格に対する着地原価の上乗せ率は30-80%に達し、調達先国や輸送手段により大きく変動する。
関税と原産地規則の影響
FTA(自由貿易協定)の活用は着地原価を大幅に削減する手段となる。RCEP、CPTPP、EU-日本EPAなどの貿易協定により、テキスタイル・アパレル製品の関税率は0-12%に軽減される。ただし特恵関税の適用には原産地規則(原産地証明)の充足が必要であり、サプライチェーンの構造がFTA活用の可否を左右する。
着地原価最適化の戦略
調達先の分散化(ニアショアリング、フレンドショアリング)、輸送モード最適化(航空からSea-Airへの切替)、関税分類の最適化(HSコードのエンジニアリング)、保税倉庫・FTZの活用など、着地原価を最適化する手法は多岐にわたる。Total Cost of Ownership(TCO)の観点では、品質不良による損失、リードタイム延長の機会損失も含めた総合評価が重要である。
OSFパースペクティブ
着地原価の正確な把握は、ファッション企業の「真の利益率」を理解するための第一歩である。OSFは、地政学的変動やサプライチェーン再編が加速する中、着地原価の動的管理能力が企業の調達競争力を決定づけると分析する。
関連用語
FOB価格、関税分類、FTA(自由貿易協定)、サプライチェーンコスト、為替リスク管理
注目ブランド
Inditex、H&M、Nike、Fast Retailing、PVH Corp