『2026年 ANDAMファッション・アワード』、マリー・アダム=リーナールト(Marie Adam-Leenaerdt)がグランプリを受賞

マリー・アダム=リーナールト(Marie Adam-Leenaerdt)が2026年ANDAMグランプリ受賞

7月2日(現地時間)、第37回ANDAMファッション・アワード授賞式がフランス・パリのパレ・ロワイヤル庭園にて開催され、2026年のグランプリに、ベルギー出身のデザイナー、マリー・アダム=リーナールト(Marie Adam-Leenaerdt)が選出された。

1989年に創設されたANDAM(Association Nationale pour le Développement des Arts de la Mode)は、フランスを代表する若手ファッションデザイナー支援制度の一つであり、これまで数多くの国際的デザイナーを輩出してきた。受賞者には賞金に加え、業界を代表するクリエイターや企業によるメンタリングが提供される。

Summary

  • 2026年ANDAMファッション・アワードのグランプリは、ベルギー出身のマリー・アダム=リーナールトが受賞
  • 特別賞はポーリーヌ・デュジャンクール、ピエール・ベルジェ賞はアンソニー・カリドン、アクセサリー賞はフィレオ・ランドウスキーが受賞
  • イノベーション賞はAIデータ分析企業アルファライア、特別賞はバイオベース染料メーカーのピリが受賞
  • ANDAMは賞金に加え、業界リーダーによるメンタリングや事業支援を通じて、次世代ブランドの成長を支援するフランスを代表するファッションアワードである

ブランド設立から約3年でグランプリを獲得

ブリュッセル出身のアダム=リーナールトは、ラ・カンブル・モード(La Cambre Mode(s))卒業後、ジバンシィ(Givenchy)やバレンシアガ(Balenciaga)で経験を積み、2023年に自身のブランドを設立した。

ブランド設立翌年の2024年にはANDAMとLVMHプライズ(LVMH Prize)の両方でファイナリストに選出され、今回、初の主要アワード受賞を果たした。

グランプリ受賞者には賞金30万ユーロが授与されるほか、今年の審査員長を務めたアミ パリ(Ami Paris)の創業者兼クリエイティブ・ディレクター、アレクサンドル・マテュッシ(Alexandre Mattiussi)による1年間のメンタリングが提供される。

受賞した賞金は、営業体制の強化や卸売事業の拡大、人材採用などブランドの成長に向けた投資へ充てる予定としている。

構造とクラフツマンシップを重視するクリエイション

アダム=リーナールトは、短期間でコレクションを更新する従来型のファッションサイクルとは異なるアプローチで知られるデザイナーである。

モジュール構造を取り入れた衣服や、多様な着用方法を可能にするデザインを特徴とし、一着を長く着続けられる価値を提案するコレクションを発表してきた。衣服の構造や素材、クラフツマンシップを重視するクリエイションは、今回の審査でも高く評価された。

 

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特別賞はポーリーヌ・デュジャンクール

特別賞には、ロンドンを拠点とするフランス人デザイナー、ポーリーヌ・デュジャンクール(Pauline Dujancourt)が選出。デュジャンクールは、エコール・デュペレ卒業後、ロイヤル・カレッジ・オブ・アートでニットウェアを学び、2022年に自身のブランドを設立。現在はニットを中心としたコレクションを展開している。

デュジャンクールには賞金10万ユーロと、アレクサンドル・マテュッシ(Alexandre Mattiussi)による1年間のメンタリングが贈られる。

アンソニー・カリドン、フィレオも受賞

ピエール・ベルジェ賞には、独学でデザインを学び、衣服の構造研究を軸としたクリエイションを展開するアンソニー・カリドン(Anthony Calydon)が選ばれた。同賞には賞金10万ユーロに加え、WSNのCEOであるフレデリック・モース(Frédéric Maus)によるメンタリングが付与される。

また、アクセサリー賞は、パリを拠点とするフットウェアブランド「フィレオ(Phileo)」を手掛けるフィレオ・ランドウスキー(Philéo Landowski)が受賞。フィレオは2021年のブランド設立以来、地域密着型の生産体制を特徴とし、ポルトガル国内のサプライチェーンとの連携によるものづくりを進めている。

受賞者には賞金10万ユーロと、ラコステ(Lacoste)のクリエイティブ・ディレクター、ペラギア・コロトゥロス(Pelagia Kolotouros)による1年間のメンタリングが提供される。

AI企業アルファライアがイノベーション賞を受賞

さらに、ANDAMではデザイナー部門に加え、ファッションテクノロジー分野を対象としたイノベーション賞も発表された。

2026年のイノベーション賞には、AIを活用したデータ分析プラットフォームを開発するフランスのスタートアップ、アルファライア(Alphalyr)が選出された。同社はサプライチェーン、小売、Eコマース向けの分析ソリューションを提供しており、賞金10万ユーロが授与された。

特別賞には、石油由来の着色料に代わるバイオベース染料・顔料を開発するピリ(Pili)が選ばれた。同社は天然由来のインディゴ染料などの開発を進めている。

ファッション業界を代表するリーダーが審査を担当

なお、今年の審査員長は、アミ パリ(Ami Paris)の創業者兼クリエイティブ・ディレクターであり、2013年ANDAMグランプリ受賞者でもあるアレクサンドル・マテュッシが務めた。

ゲスト審査員には、デザイナーのビュルチ・アキョル(Burç Akyol)、モデルのジャンヌ・カディユ(Jeanne Cadieu)、モデル・クリエイターのライアス(Lyas)、スタイルアイコンのイネス・ド・ラ・フレサンジュ(Inès de la Fressange)、ジャーナリストのソフィー・フォンタネル(Sophie Fontanel)、スタイリストのロリータ・ジェイコブス(Lolita Jacobs)、アーティストのテオ・メルシエ(Théo Mercier)、ブランドコンサルタントのジャン=ジャック・ピカール(Jean-Jacques Picart)、アミ パリCEOのニコラ・サンティ=ヴェイユ(Nicolas Santi-Weil)、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton)のジャン=バティスト・タルブールデ・ナポレオーネ(Jean Baptiste Talbourdet Napoleone)らが参加した。

さらに、シャネル(Chanel)のブルーノ・パヴロフスキー(Bruno Pavlovsky)、ケリング(Kering)のセドリック・シャルビ(Cédric Charbit)、エルメス(Hermès)のギヨーム・ド・セーヌ(Guillaume de Seynes)、ラコステ(Lacoste)のペラギア・コロトゥロス(Pelagia Kolotouros)、OTBのレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)、メタ(Meta)のエヴァ・チェン(Eva Chen)、ロンシャン(Longchamp)のソフィー・ドラフォンテーヌ(Sophie Delafontaine)、WSNのフレデリック・モース(Frédéric Maus)をはじめ、ANDAMのパートナー企業やラグジュアリー業界を代表するエグゼクティブが常任審査員として参加し、クリエイティビティに加えてブランドの事業性や国際的な成長可能性も含めた総合的な審査が行われた。

次世代ブランドを支えるフランスの育成プラットフォーム

ANDAMは1989年、ナタリー・デュフール(Nathalie Dufour)がフランス文化省およびフランス・ファッション産業振興機関DEFIの支援を受けて設立された。

現在は、アミ パリ(Ami Paris)、バレンシアガ(Balenciaga)、シャネル(Chanel)、クロエ(Chloé)、エルメス(Hermès)、ケリング(Kering)、ラコステ(Lacoste)、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH Moët Hennessy Louis Vuitton)、サンローラン(Saint Laurent)、ロレアル(L’Oréal)、メタ(Meta)、OTBなどの企業がパートナーとして参画している。

また、受賞者には賞金だけでなく、スポンサー企業による事業支援やメンタリング、製造・流通・広報など各分野の専門家によるサポートも提供され、ブランドの成長を長期的に後押しする仕組みが整えられている。

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