ラバンヌ(Rabanne)、オリヴィエ・ルスタンを新クリエイティブ・ディレクターに起用

Olivier Rousteing. Courtesy of Rabanne

7月14日(現地時間)、フランス発のファッション&フレグランスブランド「ラバンヌ(Rabanne)」は、オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)を新たなクリエイティブ・ディレクターに任命したと発表した。

プーチ(Puig)傘下の同ブランドを13年間にわたって率い、今年6月に退任したジュリアン・ドッセーナ(Julien Dossena)の後任となる。ルスタンは2025年11月までの14年間、バルマン(Balmain)のクリエイティブ・ディレクターを務めていた。

ルスタンは就任に際し、「この美しい旅を始めましょう。ラバンヌに加わることは、私にとってこの上ない栄誉です。ラバンヌは常に既成概念に挑み、大胆なアイデアを、ファッションの歴史を形づくるクリエイションへと昇華してきたメゾンです。その革新性、クラフツマンシップ、そして恐れを知らない創造性は、何世代にもわたって人々にインスピレーションを与えてきました。そして今、私自身もそこから刺激を受けています」とコメントしている。

Summary

  • ラバンヌが、オリヴィエ・ルスタンを新クリエイティブ・ディレクターに任命
  • 14年間にわたりバルマンを率いたルスタンが、13年間ラバンヌを手がけたジュリアン・ドッセーナの後任に
  • ルスタンによる最初のプレフォール・コレクションは2026年11月、初のランウェイコレクションは2027年3月のパリ・ファッションウィークで発表予定
  • プーチは、ルスタンのもとでファッション、ビューティ、イノベーションの連携を強化し、新たな製品カテゴリーへとラバンヌの世界観を拡大する方針

 

バルマンで築いた14年間のキャリア

ルスタンは2011年、25歳でバルマンのクリエイティブ・ディレクターに就任した。在任中は、メゾンが受け継ぐクチュール技術を生かしながら、力強いシルエットや緻密な装飾を特徴とする華やかなスタイルを確立。セレブリティとのパートナーシップやソーシャルメディアを積極的に活用し、若い世代を含む幅広いオーディエンスへブランドの存在感を広げた。

その活動はファッションだけにとどまらず、コラボレーションやビューティ領域の拡大にも携わっている。2024年には、エスティ ローダー(Estée Lauder)とのライセンス契約により展開された8種類のフレグランスコレクション「レ ゼテルネル ドゥ バルマン(Les Éternels de Balmain)」の立ち上げを指揮した。

また、2022年には、ラバンヌと同じくプーチ傘下にあるジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul Gaultier)のゲストデザイナーとして、オートクチュールコレクションを手がけている。

パコ・ラバンヌの実験精神を受け継ぐ

ラバンヌの根幹にあるのは、創業者パコ・ラバンヌ(Paco Rabanne)が1960年代から示してきた、素材と衣服をめぐる実験的なアプローチだ。

金属やプラスチックなど、当時のファッションでは異例だった素材を用い、従来の縫製技術にとらわれない服作りを提示。メタルディスクを連結したドレスをはじめとする前衛的なクリエイションは、現在もメゾンを象徴するコードとして受け継がれている。

一方、ドッセーナは在任中、こうしたアーカイブを単に再現するのではなく、軽やかなドレスや日常のワードローブへと再解釈した。メタリック素材と未来的なデザインコードを現代の感覚へと更新し、ラバンヌのファッション事業に新たな成長と国際的な認知をもたらした。

ルスタンも、前任者が築いた功績に敬意を示している。

「彼のビジョンは、メゾンが持つ先駆的な精神を深く尊重しながら、新しい世代に向けてラバンヌを再定義しました。彼が築き上げたもの、そしてラバンヌのヘリテージと現代ファッションのあいだに生み出した力強い対話に、私は大きな敬意を抱いています。」

装飾的で力強いスタイルを得意とし、非伝統的な素材や身体を際立たせる表現に取り組んできたルスタン。ラバンヌが受け継ぐ実験精神と、どのような新たな接点を生み出すのかが注目される。

ファッションとビューティの連携を強化

今回の人事は、ファッション、ビューティ、イノベーションをより密接に結びつけ、ラバンヌの世界観を総合的に拡大するプーチの戦略とも重なる。

プーチのプレステージ&ファッションブランド部門プレジデントを務めるアナ・トリアス(Ana Trias)は、今回の起用について次のように述べた。

「オリヴィエ・ルスタンのクリエイティブ・ビジョンは、大胆で人を惹きつける力があり、現代のエネルギーと深く結びついています。自信と自己表現を称えるファッションを生み出す彼独自の才能は、ラバンヌにとって極めて自然な選択です。オリヴィエとともに、私たちはメゾンの新たな章を切り開いていきます。」

プーチは1968年、パコ ラバンヌのフレグランスを発売し、香水ライセンス事業へ参入。1987年には、ファッションとアクセサリー部門を含むブランド事業全体を取得した。

2023年には、ファッションとフレグランスを一つのブランドアイデンティティのもとで展開するため、名称を「パコ ラバンヌ」から「ラバンヌ」へ変更。同年、ラバンヌはプーチ傘下のブランドとして初めて年間売上高10億ユーロを突破した。

現在も「1 Million」「Invictus」「Fame」「Phantom」などのフレグランスが事業の大きな柱となっている。ファッション部門は、創業者が築いた前衛性を視覚的に伝え、ビューティを含むブランド全体の価値と文化的な存在感を支える役割を担う。

ラバンヌは公式発表のなかで、ルスタンのクリエイティブ・ディレクションのもと、新たな製品カテゴリーへ領域を広げていく方針も明らかにした。ファッション、ビューティ、イノベーションが継続的に対話する、包括的なブランドエコシステムの構築を目指す。

ルスタンによる最初のプレフォール・コレクションは2026年11月に発表される予定だ。続いて2027年3月、パリ・ファッションウィークでラバンヌにおける初のランウェイコレクションを披露する。

ルスタンは、メゾンの未来について「私にとってファッションとは、感情であり、アイデンティティであり、本当の自分を表現するための自信です。その信念は、パコ・ラバンヌと、彼が長く掲げてきた自由と個性のビジョンに深く通じるものだと感じています。メゾンの素晴らしいチームとともに、この唯一無二のレガシーに敬意を払いながら、大胆で刺激的、そして新たな可能性へと開かれた未来を形づくっていくことを楽しみにしています」と展望を述べている。

バルマンで培った華やかなクリエイションと発信力、そしてラバンヌが受け継いできた素材への探究と未来志向。二つの異なる個性が交差し、メゾンの新たな章が始まる。

 

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