シュタイン(ssstein)2027年春夏コレクション:「朝の光」が導く繊細な色彩と現代的ワードローブ

シュタイン(ssstein)2027年春夏コレクション
この記事を聴く
0:00
0:00

6月28日(現地時間)、東京発のブランド「シュタイン(ssstein)」は、パリ・ファッションウィーク・メンズにて2027年春夏コレクションを発表した。ブランド創設者兼クリエイティブ・ディレクターの浅川喜一朗(Kiichiro Asakawa)は、夜明けの湖畔で体験した静寂と光の移ろいを出発点に、繊細な色彩と素材研究を重ねた最新コレクションを披露。メンズとウィメンズのルックを通して、ブランドならではのミニマルな美学とクラフツマンシップをさらに深化させた。

夜明けの情景から生まれた柔らかなカラーパレット

今季のインスピレーションとなったのは、浅川自身が夜明けの湖畔で体験した静かな時間だった。

浅川は次のように語っている。

「時間が止まったように感じました。薄く霧が立ち込める空気の中で、最初の陽の光が自分を照らし、まるで真っ白なキャンバスに色が重なっていくような感覚でした。淡い黄金色の光から、繊細な色彩が次々と浮かび上がる情景を思い描いていました。」

さらに数日後、水彩画家ロニ・ホーン(Roni Horn)による作品シリーズ「Remembered Words」と出会い、その色彩表現が当時感じた情景と重なったことが、コレクション全体の色彩設計へとつながったという。

コレクションでは、ライトイエロー、アーモンドグリーン、ブラッシュピンク、パウダーブルーを中心に、グレージュやトープ、赤みを帯びたブラウンなど穏やかなアースカラーを展開。ランウェイでは、柔らかなベージュやブラウンを軸にしながら、鮮やかなレッドやグリーン、ブルーを差し込むことで、静かな色彩の流れにリズムを与えていた。

ssstein SS27 runway 3x4 look34

ssstein SS27 runway 3x4 look37

ssstein SS27 runway 3x4 look29

ssstein SS27 runway 3x4 look39

ssstein SS27 runway 3x4 look21

素材開発が支える色彩表現

シュタインのものづくりを支えるのは、色だけではなく素材そのものへの探究である。

ブランドのためにイタリアのオルメテックス(Olmetex)が開発したナイロン素材は、ガーメントウォッシュを施すことで時間を経たような風合いと軽やかな質感を実現。ディアスキンには顔料染めではなくドラム染色を採用し、均一で深みのある色合いとしなやかな手触りを追求した。

また、コットンとヘンプを組み合わせた新開発のソフトデニムでは、リング染め糸による陰影とオーバーダイによる落ち着いた色味を組み合わせることで、ブランドが目指す繊細な色彩のニュアンスを表現している。

今シーズン唯一の柄となるグレートーンのチェックには、英国の老舗ミル「ムーン(Moon)」によるウール・リネン素材を採用し、シンプルなコレクションの中で穏やかな奥行きを生み出していた。

ssstein SS27 runway 3x4 look27

ssstein SS27 runway 3x4 look28

クラシックを再構築した軽やかなシルエット

ルック全体を通して印象的だったのは、クラシックなテーラリングをベースにしながらも、身体との間に適度な余白を残したリラックス感のあるシルエットだ。

ボクシーなコーデュロイコートやレザーブルゾン、軽量ジャケットは構築的なフォルムを保ちながらも重たさを感じさせず、ワイドパンツやショーツ、ロングスカートとの組み合わせによって軽快なバランスを演出した。

シルク素材によるシャケットや、リネン素材のスキッパーシャツとイージーパンツのセットアップなど、ブランドが提案する軽さは素材だけではなくスタイリングにも反映されている。

ウィメンズではサイドスリット入りのロングスカートやランニングショーツなどを取り入れ、メンズウェアの延長ではない現代的なシルエットを提示。一方でメンズとウィメンズを明確に分けることなく、共通する色彩や素材、バランスによって一つのコレクションとして統一感を持たせていた。

ssstein SS27 runway 3x4 look06

ssstein SS27 runway 3x4 look15

ssstein SS27 runway 3x4 look04

ssstein SS27 runway 3x4 look07

ssstein SS27 runway 3x4 look12

控えめなラグジュアリーを追求

さらにコレクションには、外からは見えない部分へのこだわりも随所に見られた。一部のアイテムにはシルク・レーヨンフランネルの裏地を採用し、着心地と上質さを追求。アクセサリーでは、ハンドステッチによるセブンフォールドタイが今季を象徴するアイテムとして登場した。

また、カノニコ(Canonico)やデルフィノ(Delfino)の超軽量ウール素材を使用したシャツとの組み合わせも提案され、クラシックな装いの中に現代的な軽さを加えている。

パリで存在感を高める東京ブランド

2017年にスタートしたシュタインは、現代的なテーラリングと洗練されたカジュアルウェアによって国内外で高い評価を獲得してきた。

2023-24年秋冬シーズンには楽天ファッション・ウィーク東京で初のランウェイショーを開催し、「FASHION PRIZE OF TOKYO 2025」を受賞。今回はブランドにとって4回目となるパリでのランウェイショーとなり、メンズ・ウィメンズ双方のルックを発表した。

夜明けの静けさから生まれた色彩、徹底した素材研究、そしてクラシックを現代的に再解釈したシルエット。派手な演出ではなく、細部への積み重ねによって完成した2027年春夏コレクションは、シュタインが追求し続ける静かな美学をあらためて印象づけた。

シュタイン 2027年春夏コレクションのすべてのルックは、以下のギャラリーから。

Copyright © 2026 Oui Speak Fashion. All rights reserved.

Oui Speak Fashion Japan (OSF)® [ウィ スピーク ファッション ジャパン]をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む