再販プラットフォームのヴェスティエール・コレクティブ、ファストファッション禁止リストにザラ、H&M、ユニクロなどを追加

11月17日(現地時間)、ハイエンドブランドを扱うフランスの再販ECプラットフォーム ヴェスティエール コレクティブ(Vestiaire Collective)は、同社のプラットフォームからザラ(ZARA)、H&M、ギャップ(Gap)、マンゴ(Mango)、ユニクロ(Uniqlo)を含む30のファストファッション・ブランドの出品の禁止を発表した。

ヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)は、かねてより「量より質」を優先し「より良い価格でクラフトマンシップに投資をすること」を消費者へ奨励し、循環型ファッションに励んできた。昨年の11月にすでに、シーイン(Shein)やトップショップ(Topshop)、エイソス(Asos)を含むファストファッションブランドの出店を禁止しており、今回はその禁止ブランドリストに更なる追加が行われた。

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同社によると、昨年行った第一回目のファストファッションの出品禁止によって、「会員の70%が、より質の高いアイテムを購入したり、中古品に投資したりするためにプラットフォームに戻ってきている」ことを確認しているという。

今回の更なるブランドの追加には、より循環型経済へのコミットメントを深めるため、ファッションとサステナビリティの専門家9名からなる委員会と協力し、ファストファッションの明確な定義を作成。この枠組みを活用して業界の大手ファストファッション企業を同社のウェブサイトから追放する動きを見せた。

なお、構築されたファストファッションを定義するは、過剰生産と過剰消費の原因となっている以下の5つの基準に基づいている。

  • 低価格帯(修理可能な要素も考慮した推定平均価格帯)
  • 更新率の高さ(年間コレクション数または新アイテムのドロップ数の推定値)
  • 品揃えの広さ(ある時点で入手可能なアイテム数)
  • 市場投入までのスピード(デザイン段階から店頭に商品が並ぶまでの生産サイクル時間)
  • 強力なプロモーション強度(セールプロモーションの頻度と強度)

同社は、「こうした働きかけは、議論を巻き起こすだろうが、気候危機が加速し、毎年9,200万トンの繊維廃棄物1が捨てられている今、ファッションが環境と社会に与える影響を減らすために必要な一歩である。」と訴える。また、「人々の消費方法を変えるという使命の一環として、同社プラットフォームを活用し、繊維廃棄物やファッションの過剰消費の問題に対する認識を高めるとともに、他の主要なファッション関係者にも業界を変えるという使命に参加するよう働きかけていく」という。

ヴェスティエール・コレクティブのチーフ・インパクト・オフィサーであるドゥニア・ウォーネ(Dounia Wone)は声明の中で、「ファストファッション・ブランドは、過剰な生産と消費を助長し、その結果、グローバル・サウスにおいて破壊的な社会的・環境的影響をもたらしています。」と述べ、「私たちは行動し、他の業界関係者がこの運動に参加できるよう先導する義務があります。」と力強く述べた。

タイムズスクエアに積み上がる大量の破棄された衣類

こうしたヴェスティエール・コレクティブの更なる一歩を世間に知らせる為に、ニューヨークのタイムズスクエアを舞台に、大胆な訴求キャンペーンが実施された。同社のソーシャルメディアで投稿されたのは、大量に破棄された衣類の山がタイムズスクエアの中心に積み上げられている様子。

 

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これは、AI技術を活用したでグローバルキャンペーン「Think First, Buy Second」の一部で、世界の有名な観光スポットに積み上げられた破棄された衣類の山をビデオやビジュアルで紹介し、消費者の自国における繊維廃棄物や埋立地の様子を再現するというものだ。同社はこのキャンペーンを通じて、「ブラック・フライデー(Black Friday)」を「ベター・フライデー(Better Friday)」に変えるべく、ソーシャルメディア・ユーザーに誓約を呼びかけている。この「ベター・フライデー」の参加者は、2024年の年末まで中古品しか買わないことを誓うか、永遠に中古品にこだわるかを選ぶことが出来る。また、インスタグラムでは、上記の投稿のコメント欄に友達5人をタグ付けし、投稿をストーリーでシェアすることで、参加者の中から当選した5名に、400ユーロのクーポン券が当たるソーシャルメディアキャンペーンを実施。

このように多くの人を巻き込み、サステイナブルな買い物への意識を高める為に様々なイニシアティブをとっているヴェスティエール・コレクティブ。同社は、ショッピングや出品体験のあらゆる段階を通して、買い手と売り手の双方へ、知識を与え、持続可能なファッションへのメッセージを伝えていく。