4月15日(現地時間)、フランスのラグジュアリーメゾン「エルメス(Hermès)」は、2026年第1四半期(3月末時点)の業績を発表した。売上高は41億ユーロとなり、為替一定ベースで前年同期比6%増と堅調な成長を維持した。一方で為替の影響により、報告ベースでは1%減となっている。
地政学リスクが浮き彫りに
今回の決算において際立ったのは、中東情勢が事業に与える影響である。エルメスは、同地域における売上が前年から減少したことを明らかにしており、特に3月以降の地政学的緊張の高まりが、観光需要や卸売ビジネスに影響を及ぼしたと説明している。
同地域はグループ全体の売上に占める割合としては限定的ながらも、成長の鈍化要因として無視できない存在だ。中東を含む「その他地域」は為替一定ベースでマイナス成長となり、特に空港やコンセッションでの販売低迷が響いた。
また、この影響は市場にも波及し、発表を受けてエルメスの株価は下落する場面が見られた。ラグジュアリー業界においても、地政学リスクが改めて重要な変数となっていることを示唆している。
地域別ではアメリカと日本が牽引
一方で、他地域は力強い成長を見せた。アメリカは為替一定ベースで17%増、日本は10%増と高い伸びを記録。欧州(フランス除く)も10%増と安定した需要に支えられた。
アジア(日本除く)は2%増と緩やかな成長にとどまったものの、中国市場は引き続き微増を維持し、韓国は堅調な推移を見せている。さらに、ベトナム・ハノイでの新店舗開設など、長期的な市場開拓も進められている。
レザー製品が引き続き成長の柱
セクター別では、レザーグッズおよびサドルリーが9%増と最も高い成長を記録した。新作バッグの投入と生産能力の拡張が寄与している。
シルクおよびテキスタイルも8%増と堅調であり、ジュエリーやホームカテゴリーを含むその他部門も成長を維持した。一方で、時計部門はマイナス成長となり、依然として厳しい環境が続く。
アクスル・デュマ(Axel Dumas)は声明で「緊張した地政学的環境の中で、エルメスは長期戦略に忠実であり続けています。豊かな創造性、妥協のない品質、そして顧客のロイヤルティに支えられ、エルメスは2026年も自信と確信をもって収益性のある成長を継続しています。エルメスのビジネスモデルの基盤は、これまで以上に差別化された強みです」とコメントしている。
為替のマイナス影響や中東情勢といった外部要因が重くのしかかる中でも、エルメスは中期的に為替一定ベースでの成長目標を維持する方針を示している。
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