モスキーノ(Moschino)、アドリアン・アピオラッザが退任:激動期のブランドを支えた2年半に幕

Adrian Appiolaza. Courtesy of Moschino
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イタリアのファッションブランド「モスキーノ(Moschino)」は6月19日(現地時間)、クリエイティブディレクターを務めるアドリアン・アピオラッザ(Adrian Appiolaza)が退任することを発表した。後任については現時点で公表されておらず、今後数か月以内に発表される予定だという。

Summary

  • モスキーノが6月19日、クリエイティブディレクターのアドリアン・アピオラッザの退任を発表
  • アピオラッザは、急逝したダヴィデ・レンネの後任として2024年1月に就任し、ブランドの再建期を支えてきた
  • 在任中は、フランコ・モスキーノのアーカイブを再解釈しながら、より洗練されたテーラリングとプロダクト重視のアプローチを打ち出した
  • 今回の退任は、親会社アエッフェが進める経営再編と新経営体制の構築が進むなかで発表された
  • 次期クリエイティブディレクターは未発表だが、サンネイの共同創業者ロリス・メッシーナとシモーネ・リッツォの名前が業界内で候補として浮上している

 

アピオラッザは2024年1月にクリエイティブディレクターへ就任。ブランド創業者フランコ・モスキーノ(Franco Moschino)が築いたユーモアと反骨精神に満ちた世界観を継承しながら、より洗練されたテーラリングや実用性を重視したアプローチを導入し、ブランドの新たな方向性を提示してきた。

今回の退任発表に際し、親会社アエッフェ(Aeffe S.p.A.)のエグゼクティブ・チェアマンであるマッシモ・フェレッティ(Massimo Ferretti)は次のようにコメントした。

「アドリアン・アピオラッザには、この数年間にわたりモスキーノの発展に大きく貢献していただいたことに感謝しています。今後のプロフェッショナルとしてのプロジェクトにおいても、さらなる成功を願っています。」

一方、アピオラッザは次のように述べている。

「私は、素晴らしいクリエイティブな遺産を持つブランドのために、自身の創造性を表現するという大きな機会を与えられました。この機会を与えてくれたアエッフェ、とりわけマッシモ・フェレッティ氏に感謝します。また、この濃密な経験をともにしたクリエイティブチームの皆さんにも心から感謝しています。」

ダヴィデ・レンネ急逝後の難しい時期に就任

アピオラッザの就任は、モスキーノにとって極めて困難な時期に行われた。

ブランドは2023年、約10年間にわたりクリエイティブを率いたジェレミー・スコット(Jeremy Scott)の退任を発表。その後継者としてグッチ(Gucci)で長年活躍したダヴィデ・レンネ(Davide Renne)が指名された。

しかしレンネは就任からわずか数日後の2023年11月に急逝。ランウェイデビューを果たす前にこの世を去るという悲劇に見舞われ、ブランドは大きな転換点を迎えることとなった。

そうした状況のなかで指揮を引き継いだのがアピオラッザである。1972年、アルゼンチン生まれの彼は、2014年から10年間「ロエベ(LOEWE)」で、ジョナサン・アンダーソン(Jonathan Anderson)の右腕としてウィメンズ プレタポルテのデザイン・ディレクターを務めてきた。また、それ以前の「クロエ(CHLOE)」では、クレア・ワイト・ケラー(Clare Waight Keller)と共に同職を務めた経験を持つ。

モスキーノのアーカイブを現代的に再解釈

在任期間中アピオラッザは、ブランド創業者フランコ・モスキーノ(Franco Moschino)が築いたユーモアや皮肉、ポップカルチャーへの視点を尊重しながらも、より洗練されたクラフツマンシップやプロダクト重視のアプローチを打ち出した。

ジェレミー・スコット時代の大胆でショーアップされた演出とは異なり、ブランドの豊富なアーカイブに立ち返りながら、モスキーノのコードを現代的なラグジュアリーとして再構築する姿勢が特徴だった。

就任後最初のコレクションでは、創業者が1980年代から1990年代に残したアーカイブへのオマージュを前面に打ち出し、ブランドの原点を再確認するメッセージを発信。短い在任期間ながらも、モスキーノの新たな方向性を模索する役割を果たした。

Aeffe再建と重なるクリエイティブ刷新

今回の退任は、親会社アエッフェが進める経営再編のタイミングとも重なっている。

同社は6月、リカルド・バゴリン(Riccardo Bagolin)をゼネラルマネージャーに任命し、新たな経営体制を発足させた。最高リストラクチャリング責任者のステファノ・ファッリティ(Stefano Falliti)とともに、グループ全体の再建と収益改善を進める方針を掲げている。

モスキーノはグループ内でも高い知名度を誇るブランドであり、次期クリエイティブディレクターの選定はブランド戦略だけでなく、アエッフェ全体の成長戦略にも影響を与える可能性がある。

次なるクリエイティブリーダーは誰か

複数メディアの報道によると、次期クリエイティブディレクターの有力候補として名前が挙がっているのが、ミラノ発ブランド「サンネイ(Sunnei)」の共同創業者であるロリス・メッシーナ(Loris Messina)とシモーネ・リッツォ(Simone Rizzo)だ。

両者は、従来のファッションショーの枠組みにとらわれない実験的な演出や、現代の消費者との新たな接点を生み出すブランド戦略によって国際的な評価を高めてきた。もし就任が実現すれば、モスキーノは創業以来のユーモアと反骨精神を受け継ぎながらも、より現代的で革新的なブランドへと進化する見込みがある。

ただし、これらはあくまで業界内の観測であり、ブランドは現時点で後任に関する情報を公表していない。

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