米ファッションレンタル企業「レント ザ ランウェイ(Rent the Runway)」は、5月13日(現地時間)、共同創業者でCEOを務めるジェニファー・ハイマン(Jennifer Hyman)が退任することを発表した。退任日は2026年5月15日付となり、2027年1月まではアドバイザーとして経営移行を支援する予定である。
後任には、同社取締役であり、米百貨店ノードストローム(Nordstrom)の元チーフ・マーチャンダイジング・オフィサーであるテリ・バリキット(Teri Bariquit)が暫定CEO兼社長として就任する。今後、取締役会主導のもと正式な次期CEO選定プロセスが進められる見通しだ。
Summary
- レント・ザ・ランウェイ共同創業者ジェニファー・ハイマンがCEOを退任
- ノードストローム出身のテリ・バリキットが暫定CEOに就任
- 同社はAI、マーケットプレイス、メディア、B2B事業への投資を強化
- 2026年度通期業績ガイダンスも維持すると発表
ハイマンは2009年にレント ザ ランウェイを共同創業。「Closet in the Cloud(クラウド上のクローゼット)」という概念を掲げ、衣類レンタル市場を切り開いた人物として知られている。
同社はレンタルサービスに加え、リセール、サブスクリプション、単品貸出などを組み合わせたビジネスモデルを構築し、数百万人規模の顧客基盤を形成。2021年にはNASDAQ上場も実現した。
今回の発表に際し、ハイマンは次のようにコメントしている。
「レント・ザ・ランウェイを築き上げることは、私の人生における最大の名誉の一つでした。この旅が特別だった理由は、単に会社を作ったことではなく、一緒に築き上げてくれた人々、私たちを信じてくれたパートナー、そして人生の大切な瞬間に私たちを選んでくれた顧客の存在にあります。レント ザ ランウェイは今、これまで以上に強い会社になっています。だからこそ、今が次の章へ進むための最適なタイミングだと感じています。」
一方、新たに暫定CEOへ就任するバリキットは、現在の同社の状況について、「ここ数年で最も強固な財務基盤にある」と説明。特にオンラインマーケットプレイス、広告・メディア事業、B2Bサービス領域における成長を強調した。
「レント ザ ランウェイは、顧客がファッションをどう捉え、アクセスし、体験するかを根本から変革してきた企業です。現在、当社はここ数年で最も強固な財務基盤にあり、オンラインマーケットプレイス、広告・メディア事業、B2Bサービスなど主要事業でも明確な成長モメンタムが見られています。」
今回の発表で特に注目されるのは、同社がファッションレンタル企業から、AIやデータを軸にした多面的プラットフォーム企業へと変化を加速させている点である。
取締役会エグゼクティブ・チェアマンのディレン・フォンセカ(Dhiren Fonseca)は、同社について「独自データ、AI主導のテクノロジー、スケール化された物流基盤」を強みに挙げており、今後の成長戦略の中心にAI投資が据えられていることがうかがえる。
また、取締役を務めるダミアン・ジャンジャコモ(Damian Giangiacomo)は、バッグやジュエリーなどへのカテゴリー拡大に加え、「AIへの投資と戦略的成長施策を通じて顧客エンゲージメントをさらに強化している」とコメント。レンタル市場そのものの拡大だけでなく、データ活用型プラットフォームとしての進化を重視している姿勢が鮮明となった。
近年、ラグジュアリー業界ではリセール、レンタル、サブスクリプション型消費が定着しつつあり、ファッション企業における所有の概念そのものが変化している。そうした中、レント ザ ランウェイはAI技術、物流、顧客データを組み合わせながら、ファッション流通インフラとしてのポジション確立を進めている。
なお同社は今回、2026年度通期業績ガイダンスについても維持すると改めて発表した。
Copyright © 2026 Oui Speak Fashion. All rights reserved.