米国ファッションデザイナー協議会(Council of Fashion Designers of America、以下CFDA)は6月2日(現地時間)、2026年度「CFDA/ヴォーグ・ファッション・ファンド(CFDA/Vogue Fashion Fund)」のファイナリスト10組を発表した。
同プログラムは、アメリカの新進気鋭デザイナーを支援する業界屈指の育成プロジェクトとして知られており、資金援助に加え、業界リーダーによるメンタリングやビジネス支援を通じてブランドの成長を後押ししてきた。
Summary
- CFDA/ヴォーグ・ファッション・ファンド2026のファイナリスト10組が発表
- 日本のクラフツマンシップを背景に持つジュエリーブランド「ミラモア」のジョージ・イナキが選出
- 優勝者には30万ドル、準優勝者2名にはそれぞれ10万ドルの賞金を授与
- 今年はヒューメイン・ワールド・フォー・アニマルズがデザインチャレンジパートナーとして参加
- ファイナリストは、バイオベース素材に焦点を当てたマテリアル・イノベーション・チャレンジに取り組む
- 最終受賞者は10月20日にニューヨークで開催されるガラディナーで発表予定
2026年度ファイナリスト10組
今年選出されたファイナリストは以下の通りである。
- エイスリング・キャンプス(Aisling Camps)
- アミール・タギ(Amir Taghi)
- テレンス・チョウ(Terrence Zhou)/バッド・ビンチ・トントン(Bad Binch TONGTONG)
- エミリー・ドーン・ロング(Emily Dawn Long)
- ジェイミー・ハラー(Jamie Haller)
- ジュリア・フェレンティノス(Julia Ferentinos)/ジュジュ・ヴェラ(Juju Vera)
- ザーン・リー(Zane Li)/リー(Lii)
- ジョージ・イナキ(George Inaki)/ミラモア(Milamore)
- クレア・サリバン(Claire Sullivan)/ミス・クレア・サリバン(Miss Claire Sullivan)
- ゾーイ・グスタヴィア・アンナ・ウェイレン(Zoe Gustavia Anna Whalen)
優勝者には30万ドル、準優勝者2名にはそれぞれ10万ドルの賞金が授与される。また、全ファイナリストに対し、継続的なビジネスメンタリングと事業成長支援が提供される予定だ。
日本のクラフツマンシップを世界へ発信するミラモア
今回のファイナリストの中で、日本との深い結びつきを持つブランドとして注目したいのが、ジョージ・イナキ率いるジュエリーブランド「ミラモア(Milamore)」だ。
ミラモアは2019年にニューヨークで創業されたファインジュエリーブランドで、「Designed in New York, Handcrafted in Japan(ニューヨークでデザインし、日本で製作する)」をコンセプトに掲げる。ブランド名は、創業者の祖母ミラグロス(Milagros)の名前と、イタリア語で「愛」を意味する「Amore」を組み合わせて生まれた。
フィリピン、スペイン、日本のルーツを持つジョージ・イナキは、東京でPRやブランディングのキャリアを積んだ後にブランドを設立。日本の伝統工芸である「金継ぎ(Kintsugi)」から着想を得たジュエリーを代表作として展開しており、「Mended, Not Broken(壊れたのではなく、修復されたもの)」という哲学をブランドの核に据えている。
ミラモアは創業以来、ニューヨークと日本を行き来しながら、日本の職人技術を活かしたファインジュエリーを展開してきた。今回の選出は、伝統工芸やクラフツマンシップを現代的な視点で再解釈するブランドの取り組みが、アメリカのファッション業界においても高く評価されていることを示している。

業界を代表する選考委員が参加
今年の選考委員会には、オーロラ・ジェームズ(Aurora James)、クロエ・マル(Chloe Malle)、ニコール・フェルプス(Nicole Phelps)、クリストファー・ジョン・ロジャース(Christopher John Rogers)、デニス・マギッド(Denise Magid)、エヴァ・チェン(Eva Chen)、パロマ・エルセッサー(Paloma Elsesser)、トム・ブラウン(Thom Browne)、ユミ・シン(Yumi Shin)らが参加する。また今年は、新たにクロエ・マル、デニス・マギッド、ユミ・シン、クリストファー・ジョン・ロジャースが選考委員会へ加わった。
CFDAの最高経営責任者(CEO)兼プレジデントであるスティーブン・コルブ(Steven Kolb)は次のようにコメントしている。
「2026年度のファイナリストたちは、現在のアメリカファッション界から生まれている才能と創造性の厚みを示しています。彼らの独自の視点と強い目的意識は、この業界の未来を象徴しています。また今年は、クロエ・マル、デニス・マギッド、ユミ・シン、そしてクリストファー・ジョン・ロジャースを選考委員会に迎えることができ、大変嬉しく思います。彼らの専門知識と視点は、次世代のファッションリーダーたちを導き支援する大きな力となるでしょう う。」
ヴォーグ・ランウェイおよびヴォーグ・ビジネスのグローバルディレクターであるニコール・フェルプス(Nicole Phelps)は、今年のファイナリストについて次のように語った。
「アメリカ建国250周年を迎える今年、CFDA/ヴォーグ・ファッション・ファンドのファイナリストたちは、アメリカ発の才能が持つ多様性、創意工夫、そして豊かな創造力を改めて示してくれています。」
サステナビリティをテーマにした新たな挑戦
なお、2026年度プログラムでは、動物保護団体ヒューメイン・ワールド・フォー・アニマルズ(Humane World for Animals)がデザインチャレンジパートナーとして参加する。
ファイナリストは「マテリアル・イノベーション・チャレンジ(Material Innovation Challenge)」に取り組み、バイオベース素材を活用した新たなデザイン提案を行う予定だ。ファッション産業におけるサステナビリティとクルエルティフリーの実現に向けた取り組みとして注目される。
10月に最終結果を発表
最初の審査プレゼンテーションは6月10日(現地時間)に実施される予定で、同日夜にはヴォーグとCFDAがノードストローム(Nordstrom)とのパートナーシップのもと祝賀カクテルイベントを開催する。
最終的な受賞者は、10月20日にニューヨークで開催されるガラディナーにて発表される予定だ。

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