米ラグジュアリー百貨店グループの「サックス・グローバル(Saks Global)」は、6月5日(現地時間)、米国テキサス州南部地区連邦破産裁判所から再建計画(Plan of Reorganization)の承認を取得したと発表した。同社は今後数週間以内にチャプター11(米連邦破産法第11章)手続きを完了し、新たな財務基盤のもとで事業再建を進める見通しである。
Summary
- サックス・グローバルの再建計画が米国テキサス州南部地区連邦破産裁判所により承認された
- 同社は今後数週間以内にチャプター11(米連邦破産法第11章)から脱却する見通し
- 再建完了時には負債総額を約75%削減し、事業運営と成長投資に必要な流動性を確保する予定
- 2030年度までに総流通取引額(GMV)90億ドルおよび調整後EBITDAの二桁成長を目指す方針を示した
- 店舗網やサプライチェーンの最適化、オフプライス事業の縮小などを進め、ラグジュアリー事業への集中を加速している
サックス・グローバルは、2024年末に統合を完了したサックス・フィフス・アベニュー(Saks Fifth Avenue)、ニーマン・マーカス(Neiman Marcus)、バーグドルフ・グッドマン(Bergdorf Goodman)、サックス・オフ・フィフス(Saks OFF 5TH)を擁する米国有数のラグジュアリー小売グループである。
今回承認された再建計画は、参加債権者の大多数から支持を得たものであり、同社はチャプター11からの脱却後、財務体質の大幅な改善を実現する予定だ。
負債を約75%削減、2030年度の成長目標を提示
同社によると、再建完了時には負債総額を約75%削減する見込みであり、事業運営と成長投資に必要な十分な流動性を確保するという。
また、中長期的な経営目標として、フルプライス販売を中心とした成長戦略を推進し、2030年度までに総流通取引額(GMV)90億ドルおよび調整後EBITDAの二桁水準達成を目指す方針を示した。
サックス・グローバルの最高経営責任者(CEO)、ジェフロワ・ヴァン・レームドンク(Geoffroy van Raemdonck)は、「再建計画の承認はサックス・グローバルにとって非常に大きな成果です。資本パートナー、ブランドパートナー、そして主要ステークホルダーから広範な支持を得られたことは、当社の将来に対する信頼の表れだと考えています」と述べる。
「資本パートナーの支援と優秀なチームの尽力により、当社はより強く、より明確な方向性を持った企業として再出発し、収益性と持続可能性を兼ね備えた成長を実現できると確信しています。サックス・グローバルは今後もラグジュアリー小売業界における重要な存在であり続け、顧客には卓越したショッピング体験を提供し、ブランドパートナーにとっては米国のラグジュアリー消費者へアクセスする最良のゲートウェイであり続けるでしょう。」
さらに、同社が今後のラグジュアリー小売市場の方向性を示す存在になるとの見方を示している。
過去5カ月で事業構造を大幅に見直し
サックス・グローバルは、再建プロセスの期間中に複数の構造改革を進めてきた。
具体的には、資本構成の改善による財務基盤の強化に加え、ブランドパートナーとの関係強化、店舗網およびサプライチェーンの最適化を実施した。
店舗戦略では、ラグジュアリー顧客が集中する主要市場の高収益店舗を中心とした運営体制へ移行。ECプラットフォームやリモートセリングサービスとの連携を強化し、統合型リテールモデルの構築を進めている。
また、オフプライス事業の大部分を縮小し、フルプライス販売とラグジュアリーカテゴリーへ経営資源を集中させる方針も打ち出した。これに伴い、本社組織の再編も実施している。
売上改善の兆しも
同社によれば、再編後に継続する店舗群の売上は改善傾向を示しており、在庫水準の回復に伴う顧客エンゲージメントの向上が見られているという。
最高財務責任者(CFO)のブランディ・リチャードソン(Brandy Richardson)は、「再建完了後にはバランスシート上の負債が大幅に削減されるだけでなく、店舗網、オペレーション、組織体制の最適化による大幅なコスト削減もすでに実現しています。こうした取り組みにより、当社は将来の成功に向けて非常に有利な立場にあります」とコメント。
リチャードソンはまた、資本パートナーやブランドパートナーからの支援に謝意を示し、再編後のサックス・グローバルが持続的な利益成長を実現できるとの見通しを示した。
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