ルルレモン(Lululemon)、通期見通しを下方修正:新CEO就任を前に成長戦略の転換点に

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6月4日(現地時間)、米アスレジャーブランドの「ルルレモン(Lululemon)」は、2026会計年度の通期業績見通しを引き下げた。第2四半期の業績予想も市場予想を下回り、決算発表後に株価は大幅下落した。

同社は通期売上高見通しを110億〜111億5,000万ドルへ修正したほか、第2四半期の売上高および利益見通しについても慎重な見方を示している。

Summary

  • ルルレモンは2026会計年度の通期業績見通しを引き下げ、第2四半期の業績予想も市場予想を下回った
  • 通期売上高見通しは110億〜111億5,000万ドルへ修正され、決算発表後に株価は大幅下落した
  • 創業者のチップ・ウィルソンとのプロキシーファイトは2026年5月に和解し、取締役会改革が進められている
  • 北米市場で成長の鈍化がみられる一方、海外事業は引き続き成長を維持している
  • 9月8日には元ナイキ幹部のハイディ・オニールがCEOに就任予定であり、新体制への移行が進められている

 

商品戦略に求められる立て直し

今回の決算の結果を受けて、ルルレモンは商品開発力のさらなる強化に向けた施策を進める方針を明らかにした。

同社は近年、新商品の投入やカテゴリー拡大を推進。暫定共同CEO兼CFOのメーガン・フランク(Meghan Frank)は、足元で事業環境の逆風に直面しているとしたうえで、事業全体を見直し、必要な領域について追加対応を進めると説明した。

長年にわたりアスレジャー市場をリードしてきたルルレモンにとって、商品力はブランド価値を支える重要な要素である。今回の業績見通し引き下げは、商品開発や顧客ニーズへの対応力が改めて問われる局面に入ったことを表している。

創業者との対立がブランド運営にも影響

また、業績面の課題と並行して続いていたのが、創業者のチップ・ウィルソン(Chip Wilson)と経営陣との対立である。

ウィルソンはルルレモンの創業者であり、現在も約8.7%の株式を保有する有力株主であるが、近年ブランドが本来の強みである商品力や独自性を失いつつあると主張し、経営陣や取締役会の判断に対する批判を繰り返してきた。

2025年末には、CEO交代や業績低迷を背景に取締役会の刷新を求める委任状争奪戦(プロキシーファイト)を開始。自ら推薦する取締役候補を擁立し、ブランド戦略や後継者計画に問題があったと訴えていた。

その後、2026年5月に双方は和解し、ルルレモンはウィルソンが推薦した取締役候補2名を年次総会後に取締役会へ迎え入れることで合意している。また、2026年10月1日までに、商品やブランド領域に知見を持つ3人目の独立取締役を双方の合意のもとで選任する予定である。

この一連の動きから、経営体制やブランドの方向性を巡る議論が、株主レベルの問題にとどまらず企業ガバナンスの課題へと発展していたことが見えてくる。

競争環境は新たな局面へ

かつてルルレモンは、高価格帯アスレジャー市場において独自のポジションを築き上げたブランドだった。しかし現在は、機能性だけでなく、ファッション性やライフスタイル提案、コミュニティ形成などを含めた総合的なブランド価値が競争力を左右する時代にシフトしている。

近年「アロ ヨガ(Alo Yoga)」や「ヴオリ(Vuori)」といった新興アスレジャーブランドが急成長しているほか、「スキムス(Skims)」も存在感を高めてきた。さらに、「ナイキ(Nike)」や「アディダス(Adidas)」など大手スポーツブランドも女性向けカテゴリーへの投資を強化しており、市場競争はこれまで以上に激しさを増している。

こうした競争環境の変化は、同社の業績にも表れ始めている。2026年第1四半期の決算では、米州売上高が前年同期比3%減となった一方で、海外売上高は22%増を記録した。海外事業が成長を維持するなか、主力市場である北米の減速は同社が直面する重要な経営課題の一つとなっている。

ハイディ・オニール体制が始動

そうした背景の中、ルルレモンは新たな経営体制への移行を進めており、9月8日には、元ナイキ幹部のハイディ・オニールがCEOに就任する予定である。オニールはナイキでブランド戦略やコンシューマービジネスを率いてきた経歴を持ち、グローバルブランドの成長を支えてきた人物として知られる。

新経営体制のもとでブランドの独自性をどのように再構築し、変化する消費者ニーズに応えていくのか。その取り組みが次の成長段階を左右することになりそうだ。

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