米ニューヨークの私立大学「ザ・ニュー・スクール(The New School)」が、財政再建に向けた組織再編の一環として、約90人の教職員を削減したことが明らかになった。長年続く運営赤字と学生数の減少を背景に進められているコスト削減策の一環であり、大学コミュニティ内では学問の自由やガバナンスへの影響を懸念する声も広がっている。
Summary
- ザ・ニュー・スクールが組織再編の一環として約90人の教職員を削減
- 対象には少なくとも19人の専任教員と68人の職員が含まれ、テニュア教員や有色人種教員も含まれるとされる
- 学生数の減少と約6,000万ドルの運営赤字を背景に、大学は財政再建とコスト削減を進めている
- 削減対象者には6カ月前通知が行われており、2026年12月まで勤務継続が可能
- 学内では学問の自由や大学ガバナンスへの影響を懸念する声が上がっている
財政難と学生数減少を背景に人員削減
今回の削減では、少なくとも19人の専任教員と68人の職員が対象となった。対象者には終身在職権(テニュア)を持つ教員も含まれており、一部は過去に大学の再編計画や財政運営に対して批判的な立場を取っていたことで知られている。
また、大学教員組織によると、多くの有色人種のテニュア教員も削減対象に含まれているという。削減対象となった教職員には6カ月前通知が行われており、2026年12月まで勤務を継続することが可能である。一方で、大学側から提示された場合には、即時退職を選択することもできる。
再編計画の中心にある構造改革
ザ・ニュー・スクールは近年、深刻化する財政課題への対応を進めている。同大学の運営赤字は約6,000万ドル規模に達しているとされ、学生数の減少や入学者確保の難航が経営を圧迫している。
大学側はこれまでにも、専攻プログラムや授業、学生向けサービスの見直しを実施してきたほか、希望退職制度や早期退職制度も導入。こうした施策を通じて、大学全体の教職員数を約20%削減する方針を掲げており、今回の人員削減はその計画の一環とみられる。
学内からは反発の声も
今回の決定に対しては、学生団体や教員組織から批判の声も上がっている。特に、一部の削減対象者が大学運営に対する批判的な発言を行っていた教員であることから、再編プロセスの透明性や意思決定の公平性を疑問視する意見も見られる。
教員組織は声明の中で、大学の意思決定プロセスについて懸念を表明し、学問の自由や教員自治の重要性を改めて訴えた。
一方、大学側は財政の持続可能性を確保するために必要な措置であるとの立場を示している。
近年、こうしたの動きは、ザ・ニュー・スクール固有の問題にとどまらない。米国の高等教育機関では、少子化や学費負担の増加、競争激化などを背景に学生募集が年々難しくなっており、多くの大学が財政健全化に向けた組織改革を迫られている。
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