細尾(Hosoo)、ミラノデザインウィークでカールステン・ニコライと協働:新作テキスタイルも公開

Hosoo
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1688年創業の京都・西陣の織元である「細尾(Hosoo)」は、4月に開催されたミラノ・デザインウィークにて、ドイツの現代アーティスト/音響作家であるカールステン・ニコライ(Carsten Nicolai / Alva Noto)との協働によるインスタレーション「WEAVE WAVE」を発表した。同時に、新作テキスタイルコレクション「Raster Gradient」も公開し、会期は4月20日から25日までミラノのHOSOOショールームにて実施された。

Summary

  • 細尾がミラノ・デザインウィーク2026でインスタレーション「WEAVE WAVE」を発表
  • ニコライ・カールステンとの協働によるプロジェクト
  • 音響データを織物へ変換する作品や映像インスタレーションを展示
  • 新作テキスタイルコレクション「Raster Gradient」も同時公開

 

音と織物を横断した表現の提示

今回のインスタレーション「WEAVE WAVE」は、音とテキスタイルという異なるメディアの関係性を再定義する試みとして展開された。それは、両者に共通する「波」「反復」「構造」といった概念を起点に、可視と不可視、物質と非物質の境界を往還する表現だ。

©Alessandro Saletta DSL Studio AS 7810 Modifica

もう一方の「SONO OBI」は、電子音楽を可視化したソノグラム(音響の周波数解析画像)を西陣織の技法で織物として再構築した作品である。織物を素材ではなく、音を記録し再生する媒体として捉え直す試みといえる。19世紀のジャカード織機が穿孔カードによって柄を制御し、後のコンピューター技術の基盤となった史実を踏まえれば、織物とデジタルメディアの距離は思いのほか近い。

©Alessandro Saletta DSL Studio AS 7732 Modifica

©Alessandro Saletta DSL Studio AS 7741 Modifica

©Alessandro Saletta DSL Studio AS 7791 Modifica

「Raster Gradient」が拓く新たな知覚

同時公開された「Raster Gradient」は、ニコライによるシルクスクリーン作品をテキスタイルへと翻案したコレクションだ。ドットの密度差によって生まれるグラデーションが、平面的な視覚情報と織物の立体的な物質性を架橋する。

制作には西陣織の高度な技術が用いられ、経糸に複数色を配することで繊細な階調を実現した。デジタル由来のラスターパターンが伝統技法と交わることで、視覚言語そのものが物質へと翻訳されていく過程が露わになる。

©Alessandro Saletta DSL Studio AS 7770 Modifica

アルヴァ ノト名義の限定LPも同時発表

さらに、同展に合わせ、NOTON(N-073)からアルヴァ ノト『Wave Weave – Sono Obi』が限定LP(ピクチャーディスク)としてリリースされた。これには、見開きスリーブにスポットUVグロス加工のブックレットが付属し、オリジナルサウンドトラックに加え、オルタナティブバージョン、ソノグラム、サウンドトラックのヴィジュアライゼーション、映像スチルなども収録された。

伝統と先端の交差点として

1688年の創業以来、300年以上にわたり織物の可能性を拡張してきた細尾と、音と視覚の境界を横断するカールステン・ニコライ。両者の協働は織物を「構造」として捉え直し、染織文化を現代美術およびデジタル技術の視点から更新する新たな視座を提示するものとなった。

©Alessandro Saletta DSL Studio AS 7670 Modifica

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