5月21日(現地時間)、米化粧品大手の「エスティ ローダー カンパニーズ(The Estée Lauder Companies)」と、スペイン発ラグジュアリー&ビューティ企業「プーチ(Puig)」は、事業統合に向けた協議を終了したことを発表した。両社は2026年3月、事業統合の可能性について協議を行っていることを正式に認めていたが、今回の発表によりその協議は終了した形となる。
Summary
- エスティ ローダー カンパニーズとプーチが事業統合に関する協議終了を正式発表
- エスティ ローダーは「Beauty Reimagined」戦略への自信を改めて表明
- 今後も買収・売却を含むポートフォリオ再編の可能性を検討していく方針
- 「One ELC」体制を通じ、組織改革と成長加速を推進
単独企業としての成長戦略を優先
今回の発表にあたり、エスティ ローダー側は、現在推進している成長戦略「Beauty Reimagined」を引き続き軸に据え、独立企業として事業強化を進めていく姿勢を鮮明にした。統合協議終了後も、ブランドポートフォリオの競争力向上や収益性改善を重視していく考えである。
これについて、エスティ ローダーの社長兼CEOであるステファン・ドゥ・ラ・ファヴリー(Stéphane de La Faverie)は声明の中で、「プーチとの対話に感謝しています。本日、我々は改めて、自社ブランドの力、才能あるチーム、そして独立企業としての強みに対する確信を表明したい。『Beauty Reimagined』を通じて長期的な価値を大きく創出できると、これまで以上に楽観視しており、その加速に集中しています」とコメントした。
さらに、「当社は、カテゴリー、地域、消費者層を横断して高いブランドエクイティを持つ、世界でも屈指のプレステージビューティブランドポートフォリオを有しています。グローバル市場において持続的な長期成長を実現する上で、独自のポジションにあると考えています」と述べ、単独企業としての競争優位性を強調した。
“One ELC”体制で組織改革を加速
エスティ ローダーは現在、「Beauty Reimagined」と並行して、「One ELC」と呼ばれる新たなオペレーティングモデルを推進している。これは、ブランド横断で意思決定やイノベーションを加速させる組織改革戦略であり、同社はより迅速で機動力があり、消費者中心の組織を構築している。イノベーションを加速し、実行力を高め、成功したアイデアをグローバルに展開し、成長機会の高い分野へ投資を進めている。
近年のビューティ業界では、M&Aを通じた規模拡大が進む一方で、組織再編やブランドポートフォリオ最適化によって収益改善を図る動きも加速している。今回の協議終了は、エスティ ローダーが外部統合よりも、自社内部の構造改革とブランド強化を優先する判断を下したことを示す動きとも言える。
今後も買収・売却の可能性は維持
一方で、同社は将来的なM&Aの可能性を完全に否定したわけではない。
声明では、「将来的な買収や事業売却の可能性も含め、最適な資産構成を追求していく」と説明しており、今後も成長機会に応じてポートフォリオの見直しを継続する方針を示した。
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