米化粧品大手のエスティ ローダー カンパニーズ(The Estée Lauder Companies)は、4月29日(現地時間)、ラグジュアリー・クリニカルスキンケアブランドの111スキン(111SKIN)に対し、少数出資を行ったことを発表した。投資条件は非公開である。
Summary
- エスティ ローダー カンパニーズが、ラグジュアリー・クリニカルスキンケアブランド111スキンに少数出資
- 111スキンは外科医ドクター・ヤニス・アレクサンドリデスが創業、NAC Y2™技術を核に臨床発想の製品を展開
- 価格帯は50ドル〜1,000ドル、Black DiamondやReparativeなどのコレクションを軸にグローバル展開
- 売上の約20%をD2Cが占め、北米が約40%と最大市場
- 本投資は、科学主導型スキンケアへの需要拡大を背景に、ELCの成長領域戦略と一致
- 111スキンは今後、製品開発とグローバル市場拡大の加速が期待される
111スキンは、形成外科医のドクター・ヤニス・アレクサンドリデス(Dr. Yannis Alexandrides)により2012年に創業されたブランドだ。もともとは、施術後の患者の回復を早める目的で開発されたスキンケアからスタートしており、医療知見をベースとした製品設計がされている。
111スキンの製品のコアとなるのは、肌の修復をサポートし、健やかで輝きのある状態を維持することを目的に開発された独自複合成分「NAC Y2™」である。同ブランドは現在、30以上の製品を展開し、「Black Diamond」や「Reparative」コレクションを軸に、50ドルから1,000ドルの価格帯で、ラグジュアリーブランドとして知られている。
今回の投資について、エスティ ローダー カンパニーズの社長兼CEOであるステファン・ドゥ・ラ・ファヴェリー(Stéphane de La Faverie)は次のように述べている。
「スキンケアは今、施術・長寿(ロンジェビティ)・美容の融合によって新たなフェーズに入っています。消費者は、より可視的な結果をもたらす“治療発想”の製品を求めるようになっています。111SKINは、35年以上にわたる外科および美容医療の知見を、高性能なラグジュアリースキンケアへと昇華したブランドであり、この変化を象徴する存在です。本投資は、当社の『Beauty Reimagined』ビジョンに基づくものであり、ブランドの独自性を維持しながらグローバル展開を加速させる大きな機会になると考えています。」
111スキンの共同創業者であるアレクサンドリデス、およびエヴァ・アレクサンドリデス(Eva Alexandrides)は、「エスティ ローダー カンパニーズとのパートナーシップにより、111スキンの新たな成長フェーズを切り拓けることを非常に楽しみにしています」とコメント。また、CEOのヴァネッサ・ゴデヴリンド(Vanessa Goddevrind)も、今後の成長に向けた期待を示している。なお、アレクサンドリデスは今後もブランドに関与し、経営チームとともに事業をリードしていく予定である。
現在までに111スキンは、ラグジュアリー小売、EC、高級スパに広がり、現在は、ハロッズ(Harrods)、ブルーマーキュリー(Bluemercury)、ノードストローム(Nordstrom)、マンダリン オリエンタル(Mandarin Oriental)、アマン(Aman)でも展開されている。
また、D2C事業は売上の約20%を占めており、プレミアム顧客とのデジタル接点を確立している点も特徴だ。地域別では、2025年時点で北米が約40%を占めるほか、中国、英国、欧州、アジア太平洋地域にも広く拡大している。
今回の出資は、エスティ ローダー カンパニーズが掲げる科学主導のイノベーション強化戦略の一環と位置付けられる。臨床発想と高機能処方を融合したスキンケアへの需要が高まる中、同社は外部ブランドへの投資を通じて成長領域へのアクセスを拡張。一方の111スキンにとっては、製品開発のさらなる高度化とグローバルでの消費者接点の拡大に向けた重要なステップとなる。
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