6月8日(現地時間)、航空機メーカーの「ボンバルディア(Bombardier)」とラグジュアリーブランドの「エリー サーブ(ELIE SAAB)」は、ビジネス航空業界における新たなラグジュアリー体験を提案するコラボレーションを発表。両社は、超長距離ビジネスジェット「グローバル8000(Global 8000)」向けに特別仕様のキャビンデザインを共同開発し、「航空業界におけるオートクチュール」をテーマとした空間を披露した。
今回のプロジェクトは、航空機メーカーとラグジュアリーファッションブランドによる初の試みとされており、ボンバルディアの航空技術とエリー サーブのデザイン哲学を融合。機内空間を単なる移動手段ではなく、上質なライフスタイルの延長として再構築することを目指している。
Summary
- ボンバルディアとエリー サーブは、グローバル8000向けの特別仕様キャビンデザインを発表
- 今回の協業は、ビジネス航空にオートクチュールの美学を取り入れる初の試み
- キャビンは、精密性、快適性、タイムレスなエレガンスを融合した上質な居住空間として再構築
- 発表は、モナコF1グランプリ期間中にボンバルディアのAviator Loungeで実施
モナコで公開された新たなキャビンコンセプト
新たなキャビンデザインは、モナコで開催されたF1モナコグランプリ期間中、ボンバルディアの体験型ラウンジ「Aviator Lounge」にて公開された。
グローバル8000は、現在開発が進められているボンバルディアのフラッグシップ機であり、高速性能と超長距離飛行能力を特徴とするビジネスジェットである。今回のコラボレーションでは、そのキャビンをラグジュアリーな居住空間として再解釈した。
機内には建築的な直線美を取り入れたデザインを採用。厳選された素材と温かみのあるカラーパレットを組み合わせることで、開放感と流動性を感じさせる空間が構築されている。

ボンバルディアの社長兼CEOであるエリック・マルテル(Éric Martel)は、今回の取り組みについて次のようにコメントしている。
「ELIE SAABとの協業について協議を開始した時点で、Global 8000はすでに認証取得と実用化に向けて大きく前進していました。そのため、単なるコンセプト提案に留まらず、航空機としての性能や運用要件を十分に尊重しながら、キャビンを真の“生活空間”として再構築することができました。このプロジェクトはビジネス航空の可能性をさらに押し広げるものであり、顧客体験の向上に対する私たちの揺るぎない姿勢を示しています。」
ボンバルディアによると、今回のプロジェクトは航空機の性能や認証要件を損なうことなく、デザイン面から機内体験を再定義することを目的として進められたという。
ファッションからインテリア、そして航空へ
エリー サーブは、オートクチュールをルーツとしながらも、近年はインテリアデザインや住宅プロジェクトなどライフスタイル領域へ事業を拡大してきた。今回の協業は、そのデザインユニバースを航空業界へと広げる取り組みとも位置付けられる。
エリー サーブのCEOであるエリー・サーブ・ジュニア(Elie Saab Jr.)は、「私たちはBombardierとの協業において、オートクチュールの精神をもって取り組みました。素材やディテールの一つひとつを、ラグジュアリー、精密さ、そして卓越したデザインを体現する要素として丁寧に作り上げています」と述べる。
「また、このプロジェクトは、どこにいてもお客様の日常に寄り添い、ELIE SAABの世界観を旅のあらゆる瞬間へと広げていきたいという私たちの思いを反映しています。これは、旅そのものが洗練されたライフスタイルの延長となる、新しいプライベート航空のアプローチです。」
ラグジュアリー市場における新たな接点
近年、ラグジュアリーブランドはファッションの枠を超え、ホテル、レジデンス、自動車、ヨットなど多様な分野へ進出している。今回のボンバルディアとエリー サーブによる協業は、その流れを航空分野へと拡張する象徴的な事例といえるだろう。
高速性能や航続距離といった機能価値だけでなく、空間デザインやライフスタイル提案が重要視される中、プライベート航空市場におけるブランド体験のあり方にも新たな変化がもたらされそうだ。
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