ベラ・ポーチの前代未聞のTiktokサクセスストーリー
ここ数年の間でアジア系アメリカ人インフルエンサーの活躍は目覚ましい。 アジア人の俳優や女優が主役の映画やドラマはアメリカを始めとするグローバルな市場で受けており、ソーシャルメディアのプラットフォーム上でも莫大な数のフォロワーを持つアジア系インフルエンサーが増えてきている。 その中でもBella Poarch (ベラ・ポーチ)という女性は、ユニークな過去の経歴と驚くようなサクセスストーリーの持ち主だ。
(2022年1月18日時点)彼女が本格的にTiktokを始めたのは2020年の4月のコロナウイルスがアメリカに広がり始めてすぐの時期だ。そこから彼女のコンテンツがTiktokでバイラルになり、瞬く間に世界のトップTiktokerになっていったのだ。
ベラ・ポーチが注目されたのは、可愛くてセクシーな外見でありながら、ゲーマーでゲームやアニメが好きというそのギャップから。
彼女が一番最初に投稿した動画は、ベッドの上でコントローラーとヘッドセットをつけてゲームをしているシチュエーションで、他のプレイヤー同士が相手を攻撃する発言をし合っている会話にリアクションをするというような面白いものだった。
そこからTiktokに投稿した「M to the B」というリップシンクの動画がバズり始め、更に音楽に合わせてダンスをしたり、アニメのキャラになりきったりすることで、その外見とのギャップに火がつき、「今までにいないタイプのインフルエンサー」としてあっと言う間に人気が広がった。
成功の裏にあるベラ・ポーチの辛い過去
そんなベラ・ポーチだが、最初から注目を浴びるような華やかな環境で育ったわけではない。彼女は両親が2人ともフィリピン人だが、物心ついた頃には両親がいなく、祖母に引き取られる。そして幼少期をフィリピンで過ごし、彼女が3歳の時には、白人のアメリカ人の父親とフィリピン人の母親を持つ軍の家族に養子縁組されることになる。
ベラの幼少期は決して恵まれたものではなく、彼女は小さい頃から義理の父親に肉体的な虐待や言葉の虐待を受けて育つ。その後、ベラがティーンエイジャーの時に、家族はフィリピンからアメリカのテキサスにで引っ越す。残念ながら彼女はアジア人という理由でいじめに遭い、そこでも辛い学生時代を過ごすことになる。
こうした生い立ちだけでも、ベラ・ポーチは幼い頃からなんとも辛い多くの困難を乗り越えてきたことが分かるだろう。
それから17歳になったベラ・ポーチは、なんとアメリカの海軍に入隊することを決意する。身長約150センチと言われる小柄な彼女は、それでも男性に混ざり戦闘に使う武器やロケットの管理に耐えていた。しかし想像以上に過酷な労働環境に、彼女は途中でうつ病を患ってしまう。
うつ病になったのを機に海軍としての契約更新を断り、一旦仕事を離れて心を休ませるために休暇を取ることにしたベラは、そこで「フォートナイト」や「鉄拳」のゲームにハマっていった。
人生を変える転機
そして人生の転機が訪れる。
ベラは巷で人気が上昇していたショート動画プラットフォームTiktokを始めることにしたのだ。
前述した様に、彼女の可愛らしくてセクシーなルックスと、ゲーム好きのオタクというギャップが大衆にうけ、瞬く間にTiktok上でフォロワーが増え、ベラの人気は爆発していった。
2021年には彼女自身がアーティストとして楽曲を出し、自身の歌う楽曲でその曲に合わせた動画をTiotok上でいくつも投稿し続け、バイラルを起こした。
また、パリファッションウィークにゲストとして呼ばれたり、歌手のリアーナがプロデュースするランジェリーブランドSavage X Fentyのランウェイショーにもモデルとして出演したりと、Tiktokの世界を抜け出しても彼女の活躍は目覚ましい。

苦しい過去を乗り越えて、約1年足らずでTiktok世界ランニング第3位のトップインフルエンサーとなったBella Poarch (ベラ・ポーチ)は今尚、世界中のファンに愛されている。
彼女の人生のように、1年もあればソーシャルメディアで誰も予想していなかったような変化を起こせるかも知れない。彼女のサクセスストーリーは多くの人にそんな希望を与えてくれる。