フランスの巨大リセール・プラットフォームであるヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)は、このほど、取締役にリッキー・デ・ソーレ(Rickie De Sole)を任命した。
この人事は、米国における同社の拡大計画および、Bコーポレーション認証取得の目標に沿ったものである。デ・ソーレ氏の業界に対する深い理解と米国における強力なプレゼンスは、フランス生まれのヴェスティエール・コレクティブの米国市場での存在感を、強化するものと期待される。
デ・ソーレは2022年1月にウィメンズ・ファッション&エディトリアル・ディレクターとしてノードストロームに入社し、現在は同社のファッション・ディレクター、バイス・プレジデントを務めている。それ以前は、Vogue誌に3年半在籍しエグゼクティブ・ファッション・ディレクターとして、またW Magazineでは4年半に渡りファッション・ディレクターをとしてチームを統括してきた。その他にもプラダ(Prada)でのPRや、トム ブラウン(Thom Browne)並びに、レント・ザ・ランウェイ(Rent The Runway)の役員を務めた経験もある。
ヴェスティエール・コレクティブの共同設立者であり社長であるファニー・モイザント(Fanny Moizant)は、「リッキーは、ファッション界で最も有名な企業での長年の経験を活かしています。彼女の業界に対する深い洞察力により、リッキーはヴェスティエール・コレクティブの取締役会において、会社の成長において極めて重要な時期に重要な役割を果たし、北米だけでなく世界的なビジネスの加速に貢献してくれるでしょう」と述べ、「彼女が私たちの取締役会に加わり、より持続可能な未来のためにファッション業界を再構築するという私たちの使命に加わってくれることを嬉しく思います」と続けた。
またデ・ソーレはこの就任について、「ヴェスティエール・コレクティブのリーダーシップ・チームをサポートし、ブランドの認知度を高め、米国での成長を加速させることは、私にとって大きなチャンスです」とコメントした。
米国にはファッションファイル(Fashionphile)やリアルリアル(The RealReal)など多くのラグジュアリー・リセールプラットフォームの競合が存在するが、近年ヴェスティエール・コレクティブは米国でのプレゼンス強化に向け、様々な戦略を実施している。例えば、米国の出品者向けには、同社のプラットフォームでの販売手数料が無料になる仕組みを導入。また、ニューヨークでVIPコンシェルジュ・サービスを開始し、オスカー女優のジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)などのセレブリティ限定のクローゼットセールを開催した。
同社はまた、米国事業を成長させる一環として、2023年2月に北米CEOのサミーナ・ヴィルク(Samina Virk)を迎えた、新しい米国チームを設立。ヴィルクもまた、ファッション/ラグジュアリー・コマース・モデルのブランド成長について豊富な経験がある人物で、これまでにイーベイ(eBay)、スレッズ スタイリング(Threads Styling)、ワン キングス レーン(One Kings Lane)、ターゲット(Target)などで、損益管理、ブランド構築、グローバルチームの指揮を執ってきた経験を持つ。
北米CEOのサミーナ・ヴィルクに加え、今回デ・ソーレが就任したことで、ヴェスティエール・コレクティブの取締役会は、女性メンバーが50%を占めることに。これによって同社は、「取締役会における女性の平等な代表を確保する」という目標を達成した。