ケリング(Kering)、ルカ・デ・メオを新CEOに任命へ

Luca de Meo

6月16日(現地時間)、フランスのラグジュアリーグループ、ケリング(Kering)は、ルカ・デ・メオ(Luca de Meo)をグループ最高経営責任者(CEO)に就任することを発表した。

これにより、取締役会議長とCEOの役割を明確に分離する新たなガバナンス体制が導入される。現CEOであり取締役会議長でもあるフランソワ=アンリ・ピノー(François-Henri Pinault)は、今後は会長職に専念し、CEO職は分離される。

今回の人事は、ケリングが次なる成長フェーズに突入する中での戦略的決断であり、同社のガバナンス体制を刷新する重要な一歩だ。

変化の先にある“新たなケリング像”

ルカ・デ・メオは、ルノー(Renault)、フォルクスワーゲン(Volkswagen)、フィアット(Fiat)など欧州自動車業界で30年以上にわたり要職を歴任してきたビジネスリーダーとして知られている。その幅広い国際経験とブランド戦略における手腕が高く評価され、ケリングというファッションの巨艦の新たな舵取り役に選ばれた。

ピノーは声明で、「ルカは国際的な視点とブランドへの深い理解を併せ持つ稀有なリーダーです。私は彼に全幅の信頼を寄せており、彼とともにケリングの新たな章を築いていけることを心から楽しみにしています」と述べている。

これに対し、デ・メオも「ケリングのブランド群と人材の専門性に触れ、大きな可能性を感じています。この機会を与えてくださったピノー氏と取締役会に深く感謝しています」とコメントし、期待と意欲をにじませた。

ラグジュアリー業界は、グローバル化やZ世代マーケティング、サステナビリティといった複雑な課題に直面している。そうした中で、グッチ(Gucci)やサンローラン(Saint Laurent)、バレンシアガ(Balenciaga)などを傘下に持つケリングは、今後どのような戦略を打ち出すのだろうか。

2024年、ケリングは約47,000人の従業員を擁し、売上高は172億ユーロに達した。“Creativity is our Legacy(創造性こそが我々の遺産)”という理念のもと、同社は今後も卓越したクラフツマンシップと文化的価値を融合させたブランド運営を続けていく構えだ。

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