5月21日(現地時間)、米ニューヨークを拠点とするブランドプラットフォーム企業「オーセンティック・ブランズ・グループ(Authentic Brands Group)」が、「コントール・ブランズ(Kontoor Brands, Inc.)」からデニムブランド「リー(Lee®)」を買収する正式契約を締結した。
関係者によると、今回の取引額は最大10億ドル規模とされ、初期支払い額7億5,000万ドルに加え、業績連動型の追加支払いが最大2億5,000万ドル含まれるという。
Summary
- オーセンティック・ブランズ・グループが、コントール・ブランズから「リー」を買収する正式契約を締結
- 取引額は最大10億ドル規模とされる
- リーは1889年創業のデニムブランドで、73カ国で展開し、年間小売売上高換算は約15億ドル規模
- コントール・ブランズは、「ラングラー」および「ヘリーハンセン」への経営資源集中を進める中で、リー売却を決断
- オーセンティックは、リーを“ヘリテージIP”として再成長可能なブランドと位置付け、ライセンスモデルへの転換を計画
- 近年リーは、「グッディ」とのコラボなどを通じ、“ライフスタイルIP”としての可能性も模索していた
- 今回の取引は、アパレル業界で進む“アセットライト型”ブランド経営を象徴する動きとして注目されている
コントールが“リー売却”を急いだ背景
1889年創業のリーは、アメリカンデニムとワークウェア文化を象徴するブランドとして知られ、現在は73カ国で展開。年間の小売売上高換算は約15億ドルに達し、その約40%を北米以外の市場が占めており、今回の取引は、世界的に進むアパレル業界のアセットライト化を象徴する動きとなる。
しかし、この売却は突然浮上した話ではなく、コントールは2026年第1四半期の段階で、すでにリー事業の売却プロセスを進めていたことを明らかにしていた。背景には、「ラングラー(Wrangler)」およびアウトドアブランド「ヘリーハンセン(Helly Hansen)」への経営資源集中がある。
近年、リーは特に米国市場において苦戦が続いていた。中価格帯デニム市場では競争が激化しており、消費者需要の変化やトレンドシフトへの対応も課題となっていたという。一方で、ラングラーは比較的堅調な成長を維持しており、コントールとしては“選択と集中”を迫られていた形だ。
さらに同社は、2026年に入ってから大規模な自社株買いプログラムも発表しており、リー売却による資金確保を資本戦略に活用する狙いも見えている。
“ヘリテージIP”としてのリーに価値を見出すオーセンティック
一方、オーセンティック側はリーを“再成長可能なヘリテージIP”として捉えている。
オーセンティックの創業者兼エグゼクティブ・チェアマンであるジェイミー・ソルター(Jamie Salter)は、今回の発表に際して次のようにコメントした。

