5月21日(日本時間)、「ルイ ヴィトン(Louis Vuitton)」が、ニューヨーク・マンハッタンのアッパーイーストサイドに位置する美術館「フリック・コレクション(The Frick Collection)」にて、ウィメンズ アーティスティック・ディレクター、ニコラ・ジェスキエール(Nicolas Ghesquière)による2027クルーズコレクションを発表した。
今回のコレクションでジェスキエールが描いたのは、パリとニューヨークという2つの都市が持つ対照的な魅力と、その内側に存在する“二重性”である。アップタウンとダウンタウン、クラシックと未来、洗練と反骨精神といった、異なるカルチャーが交差するニューヨークの空気感を、メゾンならではの視点で再構築した。
舞台となった「フリック・コレクション」は、ルネサンスから19世紀後半までのヨーロッパ美術を収蔵する、ニューヨークを代表するギルデッド・エイジ建築のひとつ。重厚なクラシカル空間の中で、1960年代を思わせるミニスカートやピルボックスハット、1980年代的なパワーショルダー、さらに未来的なスポーツウェア要素が交錯し、時代を横断するジェスキエールらしい世界観が広がった。
ショーのVIPゲストには、髙石あかり、Awich、Stray Kidsのフィリックス(Felix)、ゼンデイヤ(Zendaya)、アン・ハサウェイ(Anne Hathaway)、エマ・ストーン(Emma Stone)らが来場。また、アラナ・ハイム(Alana Haim)や、ジャック・ホワイト(Jack White)とカレン・エルソン(Karen Elson)の娘であるスカーレット・ホワイト(Scarlett White)もランウェイに登場し、ニューヨークらしいカルチャー性をさらに強調した。




ショーの幕開けでは、アーティストPeachesによる2006年の楽曲『Boys Wanna Be Her』が会場に響き渡る中、モデルたちが苔を敷き詰めたランウェイを闊歩する。構築的なレザー、誇張されたショルダーライン、ミニスカート、ピルボックスハットなど、1960年代を思わせる要素が登場する一方で、1980年代的なパワードレッシングや近未来的なスポーツウェアの感覚が共存していた。



コレクション全体には、ニューヨークらしいダウンタウンカルチャーの空気感も色濃く反映された。ワイヤーチョーカーやメッシュトップス、ウエスタン調のディテール、スポーティなレザーショーツなど、1990年代やストリートカルチャーを想起させるスタイルが随所に見られる。
また、モデルたちはブルーやピンクのカラーを差し込んだ“ハローヘア”で登場し、新たにメゾンアンバサダーへ就任したアリサ・リュウ(Alysa Liu)を連想させるビジュアルも話題を集めた。



さらに、今シーズンを象徴する存在となったのが、1980年代ニューヨークのアートシーンを代表するキース・ヘリング(Keith Haring)との対話である。
ジェスキエールはメゾンのアーカイブから、1930年代製のレザースーツケースにヘリングが1984年にマーカードローイングを施した作品を発見。その流れを受け、コレクションでは“Big Apple”と呼ばれるヘリング作品をプリントしたトップスやバッグ、グラフィカルなジャケットなどが披露された。



アクセサリーでは、レコード盤を模したクラッチバッグや、テイクアウトボックス風バッグ、モノグラム入りボクシンググローブなど、都市的で遊び心あるアイテムが多数登場。ボクシーな新型バッグや硬質なレザー素材も、今季の重要なポイントとなった。
ショー終盤、映画『Project Hail Mary』のサウンドトラック『Box in a Box』へ音楽が切り替わると、コレクションはよりシネマティックなムードへと変化する。メタリック素材、シフォン、立体的なフリル、誇張されたレイヤードが交差し、ジェスキエールらしい世界観構築がクライマックスを迎えた。



なお、今回のショー会場となった「フリック・コレクション」は、同館のギャラリー空間がファッションショーの舞台として使用される初の機会となった。ルイ ヴィトンは同館との3年間にわたるスポンサーシップ・パートナーシップも開始し、今後は無料イブニングプログラムや特別展、学芸部門のリサーチ支援などを通じて、アートと文化領域への取り組みをさらに強化していく。
ルイ ヴィトン 2027クルーズコレクションの全てのルックは、以下のギャラリーから。
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