2026年7月6日から9日(現地時間)まで開催されるパリ・オートクチュールウィーク2026-2027年秋冬シーズン。世界最高峰のクチュールメゾンが最新コレクションを披露するこの期間、パリ市内ではファッションや写真芸術をテーマにした見応えある展覧会も数多く開催されている。
ショーだけでなく、美術館を訪れることで、オートクチュールを支えるクラフツマンシップや、ファッション史、写真文化への理解をより深めることができる。
今回は、クチュールウィーク期間中にぜひ立ち寄りたい4つの展覧会を紹介する。
Summary
- パレ ガリエラでは、ファッションの職人技をテーマにした「Weaving, embroidering, embellishing」展と、18世紀モードの遺産をたどる「Fashion in the 18th century」展の2つを同時開催中
- コニャック=ジェイ美術館では、パレ ガリエラとの共同企画「Revealing the Feminine」展を開催中
- パリ市立近代美術館では、20世紀を代表する写真家リー・ミラーの回顧展を開催中
- オートクチュールウィーク2026-2027年秋冬は、7月6日から9日までパリで開催
1. Weaving, embroidering, embellishing ─ パレ ガリエラ

最初に訪れたいのが、パリ市立ファッション美術館であるパレ ガリエラで開催中の「Weaving, Embroidering, Embellishing: The Crafts and Trades of Fashion」。
同展は、織り、プリント、刺繍、レース、造花など、オートクチュールを支える装飾技術にスポットを当てた展覧会である。
テーマとなるのは18世紀以降、ファッションにおいて重要なモチーフであり続けてきた「花」。350点を超える作品を通じて、メゾンを陰で支える職人たちの卓越した技術を紹介する。
展示には、オートクチュール作品に加え、若手デザイナーによる作品や、本展のために制作された特別作品も並ぶ。ルサージュ(Lesage)やウレル(Hurel)など、フランスの伝統的メティエの仕事にも触れられる内容となっている。
会期:2026年10月18日まで
開館時間:火曜〜日曜 10時〜18時(金曜は21時まで)
場所:10 av. Pierre 1er de Serbie, 75116 Paris
2. Fashion in the 18th century ─ パレ ガリエラ

同じくパレ ガリエラでは、「Fashion in the 18th Century: A Fantasized Legacy」も開催されている。
18世紀ヨーロッパの女性ファッションをテーマに、当時の衣装やアクセサリー、歴史的資料とともに、その美意識が現代ファッションへどのように受け継がれてきたかを紹介する。
展示には70体以上のシルエットが並び、マリー・アントワネットゆかりのコルセットなど貴重な資料も公開。さらにシャネル(CHANEL)、ディオール(Dior)、ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)など現代デザイナーの作品と比較展示することで、18世紀のモードが今なおクリエイションの源泉となっていることを示している。
※会期は7月12日までのため、クチュールウィーク期間中に訪れる場合は早めの来館がおすすめだ。
会期:2026年7月12日まで(会期終盤のため注意)
開館時間:火曜〜日曜 10時〜18時(金曜は21時まで)
場所:10 av. Pierre 1er de Serbie, 75116 Paris
3. Revealing the Feminine ─ コニャック=ジェイ美術館

Courtesy of Musée Cognacq-Jay / Paris Musées
マレ地区に位置するコニャック=ジェイ美術館では、「Revealing the Feminine: Fashion and Appearances in the 18th Century」を開催している。
同展は、パレ ガリエラとの共同企画として実現したもので、18世紀における女性らしさや装いの意味を、多彩な視点から探る内容となっている。
肖像画や宮廷文化、歴史的なテキスタイルなどを通じて、当時のフランス宮廷で発展した美意識やファッション文化を紹介。ファッションだけでなく、美術や社会史にも関心のある人におすすめの展覧会である。
会期:2026年9月20日まで
開館時間:火曜〜日曜 10時〜18時
場所:8 rue Elzévir, 75003 Paris
4. Lee Miller ─ パリ市立近代美術館

Lee Miller, Model with Lightbulb, Vogue Studio, London, 1943 © Lee Miller Archives, England 2025. All rights reserved
パリ市立近代美術館では、20世紀を代表する写真家リー・ミラー(Lee Miller)の大規模回顧展を開催中。
モデルとしてキャリアをスタートさせたミラーは、その後、シュルレアリスムの写真家、ファッションフォトグラファー、戦場特派員へと活動の幅を広げた。
同展では、ニューヨーク時代からヨーロッパでの戦時報道、エジプトでの生活、晩年の作品まで、その多彩なキャリアを総合的に紹介。長らく「芸術家のミューズ」として語られてきた彼女を、一人の優れた写真家として再評価する内容となっている。
同展はテート・ブリテン(Tate Britain)の企画のもと、シカゴ美術館(Art Institute of Chicago)の協力により開催されている。
会期:2026年8月2日まで
開館時間:火曜〜日曜 10時〜18時(木曜は21時30分まで)
場所:11 Avenue du Président Wilson, 75116 Paris
クチュールウィークだからこそ、美術館にも足を運びたい
オートクチュールウィーク期間中は、世界中のファッション関係者がショーやプレゼンテーションを巡る一方で、美術館ではファッションの歴史やクラフツマンシップを深く知ることができる貴重な展覧会が開催されている。
今回紹介した4つの会場はいずれも、ショー会場が集まるパリ8区・16区からアクセスしやすいエリアに位置しており、ショーの合間にも立ち寄りやすい。
ランウェイで最新のクリエイションを体感し、美術館でその背景にある歴史や文化に触れる——。そんな時間も、パリ・オートクチュールウィークならではの楽しみ方の一つと言えるだろう。
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