5月6日(現地時間)、アメリカ発のカジュアルブランド「オールド ネイビー(Old Navy)」が、2026年夏に向けた新キャンペーン「It’s Old Navy」を公開した。
キャンペーンには、実業家・メディアパーソナリティとして世界的な知名度を持つパリス・ヒルトン(Paris Hilton)が登場。さらに、母であるキャシー・ヒルトン(Kathy Hilton)をはじめ、リアリティ番組で注目を集めるシアラ・ミラー(Ciara Miller)、ロブ・ラウシュ(Rob Rausch)、インフルエンサーのエリン・ミラー(Erin Miller)、エリック・セデーニョ(Eric Sedeño)らも参加している。
同キャンペーンは、バックヤードBBQやプールパーティーといったアメリカの夏の情景を舞台に、“手頃な価格で楽しめるスタイル”というブランドメッセージを表現したもの。BGMには、パリス・ヒルトンの代表曲「Stars Are Blind」が採用されており、同楽曲のリリース20周年とも重なる構成となっている。
Summary
- オールド ネイビーが新サマーキャンペーン「It’s Old Navy」を公開
- パリス・ヒルトンとキャシー・ヒルトン親子が出演
- キャンペーン楽曲には「Stars Are Blind」を起用
- デニムやフラッグTシャツを軸にしたアメリカンスタイルを提案
- ザック・ポーゼンがクリエイティブを主導
- 2026年サマーコレクションは全米店舗と公式オンラインで販売中
“アメリカの夏”を再解釈したキャンペーン
今回の「It’s Old Navy」は、ブランドのルーツでもあるアメリカンカジュアルを再解釈したプロジェクトである。コレクションでは、デニム、Tシャツ、フリースといった定番アイテムに加え、“オールド ネイビー フラッグTシャツ”を夏の象徴的アイテムとして展開。ヴィンテージウォッシュ加工や補修ステッチ、刺繍、アップリケなどを取り入れ、“長年愛用された服”のような風合いを演出している。
ブランド側は、今回のコレクションについて、“ lived-in authenticity and ease(着込まれたようなリアルさと心地よさ)”をテーマに掲げている。
ザック・ポーゼンが語る、パリス・ヒルトン起用の理由
「オールド ネイビー」のチーフ・クリエイティブ・オフィサーを務めるザック・ポーゼン(Zac Posen)は、今回の起用について「パリス・ヒルトンは、新キャンペーン『It’s Old Navy』を象徴する完璧なサマーミューズです。このキャンペーンは、夏の楽しさと、“素晴らしいスタイルは誰にでも届く”というメッセージを称えるものです」と述べている。
また、「パリスとオールド ネイビーという、2つのアイコンの融合でもあります。彼女は大胆なスタイルと、“喜びのために装う”という精神を体現しています。私はニューヨークで10代の頃から彼女を知っていますが、彼女は恐れを知らないビジネスウーマンであり、素晴らしい母親であり、常に自分らしく、自信に満ちた存在です」と続けた。
近年、ファッションブランドでは単なる著名人起用ではなく、“カルチャーアイコン”としての存在感や世代横断的な認知力を持つ人物を中心に据える動きが加速している。今回のパリス起用も、Y2Kカルチャーの再評価やノスタルジア消費の流れと連動した戦略とみられる。
パリス・ヒルトン親子共演にも注目
パリス・ヒルトン本人も、今回のプロジェクトについてコメントを発表している。
「オールド ネイビーには、昔からノスタルジックなサマーエネルギーがあります。そして、ザック・ポーゼンと一緒にこのキャンペーンに取り組めたことで、さらに特別なものになりました。彼は常にスタイルや楽しさを理解していて、瞬間を“アイコニック”に変える方法を知っています。そのエネルギーをオールド ネイビーで表現できたことが嬉しいです。」
さらに、「母と一緒に撮影できて、本当に楽しかったです」とも語っている。
近年の広告キャンペーンでは、“家族性”や“リアルな関係性”を打ち出すビジュアル表現が増加しており、今回の親子共演もそうした潮流を反映した演出といえる。
米国での販売情報
「It’s Old Navy」キャンペーンで展開される2026年サマーコレクションは、現在アメリカ国内のオールド ネイビー店舗および公式オンラインストアにて販売されている。
今回のコレクションでは、ブランドを象徴するフラッグTシャツをはじめ、ヴィンテージウォッシュ加工を施したデニム、グラフィックTシャツ、フリースアイテムなど、“アメリカンカジュアル”をベースにした夏向けアイテムを幅広くラインアップ。価格帯もオールド ネイビーらしく比較的手に取りやすく設定されており、Tシャツ類は10〜30ドル台、デニムやボトムスは40〜60ドル前後を中心に展開されている。
ブランドの原点回帰と、幅広い世代への訴求
1994年に「ギャップ社(Gap Inc.)」のブランドとして誕生したオールド ネイビーは、“手頃な価格でファッションを楽しめるブランド”として北米市場で存在感を築いてきた。デニムやロゴTシャツ、フリースといった日常着を軸に、ファミリー層から若年層まで幅広い世代を取り込み、現在ではアメリカとカナダを中心に1,200店舗以上を展開する巨大ブランドへと成長している。
近年のファッション市場では、ラグジュアリーブランドの価格上昇が続く一方で、“無理をせず、自分らしくおしゃれを楽しみたい”という消費者意識も強まっている。そうした中で、今回の「It’s Old Navy」キャンペーンは、トレンドを追いかけるだけではなく、“誰もが気軽にファッションを楽しめる”というブランドの原点を改めて打ち出した内容となっている。
今回のビジュアルで印象的なのは、どこか懐かしさを感じさせるアメリカの夏の空気感だ。バックヤードBBQやプールサイド、ヴィンテージライクなデニム、少し色褪せたTシャツなど、リアルで肩の力が抜けたスタイルを通じて、“完璧すぎないファッション”の魅力を表現している。単なる商品訴求というよりも、“夏の思い出”や“楽しい時間”そのものを感じさせるキャンペーンに仕上がっている点も特徴的である。
また、2000年代を象徴する存在であるパリス・ヒルトンを起用したことも大きなポイントだ。当時を知る世代にとってはノスタルジーを感じさせる一方で、Z世代にとっては新鮮なカルチャーアイコンとして映る存在でもある。さらに、母であるキャシー・ヒルトンとの共演によって、“家族”や“親しみやすさ”といったムードも自然に加わっている。
加えて、クリエイティブを手掛けるザック・ポーゼンの存在も見逃せない。ラグジュアリーファッションで知られるデザイナーが、オールド ネイビーのようなマスブランドに携わることで、“高級感”だけではない、“ファッションを楽しむ気持ち”そのものにフォーカスした世界観が生まれている。
物価上昇や消費スタイルの変化が続く今、ファッション業界では“高いものを持つこと”よりも、“自分らしく楽しめるか”がより重視されるようになっている。今回のオールド ネイビーのキャンペーンは、そうした時代の空気感を反映した取り組みの一つといえそうだ。
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